【東京リノ日和7】<まちとマンション探訪~光が丘パークタウン>

東京リノ日和 まちとマンション探訪編の第三弾は、光が丘パークタウンを訪ねてみました。団地リノベーションにふさわしい大規模団地です。

<23区最大級の団地。街なかにあふれる緑はまさに公園タウン>

光が丘パークタウンは、練馬区と板橋区にまたがる、総戸数12,000戸 居住人口36,000人を超える23区内最大規模の超大規模団地です。うち4,387戸が分譲住宅として供給されました。

光が丘パークタウン

総面積は186ヘクタール、東京ドームの約40倍の面積を誇ります。敷地北側には約60ヘクタールの広大な都立光が丘公園が広がり、ショッピングセンター、15校の学校、病院、ホテル、美術館などがそろった一大複合都市です。

1991年に都営12号線が開通し、始発の「光が丘」駅から新宿まで直結するようになり、交通利便性が格段に上がりました。さらに2000年には都営大江戸線が完成し、都心の各拠点と結ばれるようになりました。

<低層からタワーまで多彩な建物バリエーション>

光が丘パークタウンは1983年から入居が開始されています。団地といえば、階段室型の低層か、せいぜい中層どまりの建物というイメージですが、80年代以降の団地では、14階建ての高層建築や20階を越えるタワーもみられるようになりました。

光が丘パークタウンの分譲住宅は5階建てから25階建てのタワーまで、さまざまなバリエーションの建物が供給されています。

光が丘パークタウン 外観
(*光が丘パークタウン いちょう通り東第二、第三)
光が丘パークタウン 外観
(*光が丘パークタウン いちょう通り東八番街)
光が丘パークタウン 大通り北
(*光が丘パークタウン 大通り北)
光が丘パークタウン 公園南
(*光が丘パークタウン 公園南)

<四季の名にちなんだ4つの大規模公園が魅力的>

住区内には四季の名にちなんだ4つの大規模公園が配されています。それぞれ個性的な設えの公園です。

大きな芝生広場がある夏の雲公園。

夏の雲公園

鬱蒼とした高木が続く春の風公園。南の端にはかえる池があります。

春の風公園

武蔵野の面影を残した四季の香公園。ローズガーデンもあります。

四季の香公園

水田がある公園で有名な秋の陽公園。田植えや稲刈りが行われます。

<圧倒的な広さの光が丘公園。アウトドアライフが日常に>

なんといっても特筆すべきなのが圧倒的な広さを誇る都立光が丘公園です。

都立光が丘公園

約60ヘクタールの敷地には、体育館、野球場、サッカー場、テニスコート、弓道場、温水プール、フィールドアスレチックなど、アスリート派には嬉しいさまざまな施設が整備されています。

バードサンククチュアリー、バーベキュー場、芝生広場などもあり、お花見や野鳥観察や屋外パーティなど、アスリート派以外にも、幅広い世代がアウトドアライフを満喫できるのも魅力です。敷地内に図書館があるのも嬉しいですね。

芝生広場

<街の中心となる緑のプロムナード。かつては滑走路だった!>

光が丘パークタウンの中心を南北に貫くように幅広いプロムナードが走っています。他の団地には類を見ないユニークで大胆な空間設計です。

プロムナードの地下には都営地下鉄大江戸線「光が丘」駅が設けられ、地上にはショッピングセンターIMA(専門店モール、AEON、LIVINなど)が建てられています。

【東京リノ日和7】まちとマンション探訪~光が丘パークタウン

駅から北側のプロムナードはいちょう並木になっており、南側は夏の雲公園につながる広場状の空間として整備され、プロムナードは街の軸となるシンボル的な役割を担っています。

いちょう並木のプロムナード

光が丘パークタウンの敷地は、終戦も近い1942年に、田畑だった土地を日本陸軍が接収して成増飛行場として整備したところです。戦後の占領期にはアメリカ軍の宿舎グラントハイツとして使われていました。1973年に日本に返還され、現在の開発がスタートしました。

 この巨大で長いプロムナードは、実はかつての成増飛行場の滑走路だったところなのです。他に類を見ないこの大胆な空間設計の背景には、こんな歴史的事実が横たわっていたのですね。

<「理想都市」、「未来都市」に住む>

足許に広々とした緑のオープンスペースを確保し、日当たりのよい高層住宅を設け、ハイウェイや鉄道でつながれた都市。下のパースはル・コルビュジエの描いた「300万人のための現代都市」(1922)のスケッチです。のちに「輝く都市」として提唱されたル・コルビュジエによる理想都市の姿です。

広い幹線道路が通り、足許には緑の街路樹が連なり、高層住宅が建ち並ぶ、こんな風景が広がる光が丘パークタウンを歩いていると、ル・コルビュジエが描いた理想都市の姿と重なって見えてきます。

光が丘パークタウン

光が丘パークタウンは80年代に作られた仮面ライダーシリーズのロケ地として、しばしば登場することで知られる場所でもあります。

制作会社である東映のスタジオが東大泉にあり、ロケ地として近くて便利だったということもありますが、光が丘パークタウンの近未来的な街の風景が、現実を離れたヒーロー物の背景にふさわしいとして、ロケ地に選ばれたというのがその大きな理由でしょう。

仮面ライダーシリーズロケ地

「理想都市」や「未来都市」など構えの大きい形容が似合う光が丘パークタウン。そんな名実ともにスケールが大きさいところがほかの団地にはない魅力です。

*光が丘パークタウン
住所 : 東京都練馬区光が丘3丁目他
交通 : 都営大江戸線「光が丘」 / 東京メトロ有楽町線「赤塚」
総戸数 : 4,387戸(分譲)
構造・規模 : RC/SRC造 地上4階建て~25階建て
事業主 : 都市再生機構他
竣工 : 1983年~1991年

text and photos by 大村哲弥(プロジェ代表)

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