リノベーション本厳選5冊!ネットや書籍での情報収集法

リノベーションの情報はネットやSNS、雑誌など、いたるところにあふれています。

それらをどう活用するかは「何が知りたいか」といった「目的」が重要です。
情報収集のスタートラインに立ったあなたに、そのコツをお伝えします。

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リノまま編集部

リノままは「大きな企業の中の小さな設計事務所」として設計・工事・不動産それぞれの専門知識をもった少数精鋭のチームでひとりひとりのお客様と向き合っています

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リノベーションの情報収集法

「リノベーションをやってみたい!」と思いついたとき、どんな風に情報を集めますか?

ネット、雑誌、書籍、友達の話など、情報の集め方は無数にあります。

まずあなたがリノベーションの情報収集にくりだす「目的」は何でしょうか?

・素敵なお住まいをみてみたい
・素敵なお住まいでの暮らしをみてみたい
・どんな人がこんな素敵なお住まいをつくるのかを知りたい
・どんな風に考えて素敵なお住まいをつくったのか知りたい
・こんな素敵なお住まいをつくりにはどのくらいのお金や時間がかかるか知りたい
・自分にもできるかどうか知りたい
・どんな準備をしながらすすめればよいか知りたい
Etc

当然ですが「目的」によってどこから情報を集めたらよいかも変わってきます。

それぞれの特徴を頭にいれた上で最初の入口は無料で活用できるネットの情報をうまく活用しましょう。

Webサイトからの情報収集

そこで最初におススメしたいのはリノベーションのポータルサイトを眺めてみることです。

ポータルサイトからの情報収集のメリットデメリット

様々なリノベーション会社の情報がまとまっていて一か所でみられるのがポータルサイトです。

<メリット>
・一社単独で作っているものではないため多くの会社の事例や情報が得られる
・事例や会社概要などは全て同一の形式でまとまっているため、比較しやすい
・大規模なサイトではリノベーションの基本知識がわかる記事も充実している

<デメリット>
・一社あたりや一事例あたりの情報は薄い
・小さな会社で評判のよい会社などはそもそも掲載していないことがある

ここにあげたように「広く浅く」情報をとったり、今のトレンドや気になるトピックスをみてみたり、といった際はポータルサイトが一番です。

SUVACO

「SUVACO」はSUVACO株式会社が運営する住宅専門家紹介サイトです。

サイトを通じて成約した場合に登録会社からの手数料で運営する方法をとっており、

東京のリノベーション会社で402社、全国で678社(2023/10/26現在)と多くの会社・専門家が登録されています。

リノベーション会社だけではなく、建築家など専門家が800以上登録されているのが特徴です。

事例が多いのも魅力で、SUVACOに登録しているリノベーション会社や専門家が施工事例を約4800件も登録しています。

豊富な施工事例はキッチンやリビングなど気になる部位ごとに写真をみることもできますし、お気に入り登録のような形で気にいた写真を保存しておくこともできます。SNSのようにプランニングやインテリアのアイディアの情報源としても活用できるのも大きな魅力です。

SUVACOのサイトはコラムや特集記事も充実しています。リノベーション費用の目安やそもそもの進め方、注意点など読みやすい記事から基本的な情報も得られます。

写真や事例を眺めたり、色々な会社を比較したり、内装やインテリアの知識を得たり、とリノベーションを考え始めた方にとってやりたいことが網羅できるサイトなので、最初にざっとみてみるのをおススメします。

リノベりす

「リノベりす」は扶桑社の中古マンションリノベーション情報雑誌「relife+(リライフプラス)と、ソーシャル・ホームデザイン・サイト「SUVACO」のコラボレーションで運営しているサイトです。

雑誌と連動した読み物が充実しているのが特徴で、リノベ会社へのインタビューやテーマ性のある記事などが多数掲載されています。

51社のリノベーション会社、1141件のリノベーション事例が紹介されています。特にリノベーション事例は各社から提供された資料をもとに「リノベりす」編集部が独自に記事として作成しているので読み応えがあります。

リノベーション体験談など、お客様の視点からみた記事も定期的にアップされるので、チェックしてみましょう。

リノべーション協議会

リノベーション協議会は、リノベーションに関する技術の標準化や会員に対する指導などの活動を通じて健全なリノベーション市場の発展を目的に2009年に業界各社で作られた団体です。現在首都圏で300社以上、全国では600社以上が正会員として登録されています。(2023年10月現在)

具体的には、設計図書や施工などに関する統一基準を作成し、これに則った優良なリノベーションを適合リノベーション住宅として認定するなど、消費者がわかりやすく、安心できるリノベーションの普及などを推進しています。

施工事例の写真をみるようなワクワクとは少し異なりますが、長く住まうために安心してリフォームやリノベーションをしたい、という想いに応えてくれるサイトです。

協議会が定めたリノベーションの品質基準「R1」の検査方法や検査項目についてもWebサイト上に公開されています。これらをみるとリノベーションを進める際に注意しておくべきポイントへの理解が深まることでしょう。

リノベーション協議会では年に1回、「リノベーションオブザイヤー」という優れたリノベーション作品を選出するコンテストを開催しており、それらの作品もこのサイトからみることができます。

お住まいの改装にとどまらず、リノベーションが「街づくり」や「社会問題の解決」に寄与しているような事例までとりあげているので、これらをみると「住まい」や「暮らし」の概念が変わっていくような発見があります。

SNSからの情報収集

リビングの写真、小上がりの写真、キッチンの写真、タイル、壁紙など、「コレが見たい!」という方にとってInstgramやPinterestなどのSNSはおススメです。

ハッシュタグ検索をうまく使うと実に様々な内装のアイデアがでてきます。写真だけでなく動画でイメージを見られるものもあるのでうまく活用しましょう。

おススメリノベーション本 5選

ここまでのWebサイトやSNSは全て無料で手に入るリノベーション情報でした。

もっと掘り下げてリノベーションのことを知りたい!という方には本をお薦めします。

WebサイトやSNSだけで殆どの情報が手に入ってしまうような昨今ですが、無料で手に入る情報は「多くの人にアクセスしてもらう」ことを目的にしています。どうしても運営している事業者や関連する事業者の視点が強くでやすいですし、に短時間で読めるようなシンプルな内容にまとめてあることが殆どです。

設計や工事の現場の技術者の想いやプロならではの視点とか、フラットな視点でのお客様の感想、リノベーション会社の事業者側の想いなどを深く理解するためには書籍がおススメです。

逆にわざわざお金を払って本を読むのであればこういった「知りたいポイント」をはっきりさせてそれらに応えてくれるような書籍を厳選して読むことを強くおススメします。

徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと 著者 ちきりん ダイヤモンド社

これまでお客様の視点でこれだけ深くリノベーションの現場を描いた読み物があったでしょうか?

カリスマブロガーちきりん氏がリノベーションを思い立って新しい住まいが完成するまで、会社選びや設計の打ち合わせ、工事中の様子などあくまでお客様の視点で見聞きし、感じたことが克明に描かれています。

各所でいわれているようにリノベーションを検討している方にとって必携の書であるばかりか、設計・工事などあらゆる場面でリノベーションに関わる方全てが一読すべき本だと思います。

この本にあるように「リノベーションは共同プロジェクトである」ということをお客様もリノベ会社も双方が認識しあった上でスタートすることが極めて重要。全てのエッセンスがつまったフレーズです。

ビギナーのための賢い家の作り方 中古を買って、リノベーション 著者 谷島香奈子+EcoDeco  東洋出版株式会社

中古マンションを買って、自分らしくリノベーションして暮らしたい、という方にとってスタート時点では「なにがわからないかわからない」という状態の方が多いのではないでしょうか?

この本はEcoDecoのブランド名でワンストップリノベーションを展開している谷島氏によって書かれています。10年近く前の本ではありますが、古くからワンストップリノベーションをすすめてこられた事業者がお客様と並走していく中で培ってきたワンストップリノベーションのための基本的なポイントが網羅されています。

この本を読めば自分たちにとっての課題、「どこが注意しておくべきポイントか」「これからどんな風にパートナーとなる会社を探せばよいか」などがみえてきます。

マンションリノベーションの基本 編集 主婦の友社

こちらも中古マンションを買ってリノベーションする際の基本的な流れやリノベーション事例、注意点などが読みやすくまとまっている本です。

図や写真も多く、旅行雑誌をパラパラめくるような感覚で読めるのが魅力です。

図解版 リノベとリフォームの、何ができない何ができるのすべてがわかる本 編集 主婦の友社

こちらの本ではマンションだけでなく戸建もとりあげた上で、リノベやリフォームの注意点をまとめています。

建物の構造に関することやリノベ費が何にどのくらいかかるかといった費用の見立てに関すること、間取りなどプランのアイデアで暮らしやすい住まいにする方法など、図を使ってわかりやすく説明してくれます。

これらはいろいろなリノベ会社を訪問すると教えてくれるようなものではありますが、いろいろな会社がそれぞれどんな説明の仕方をしてくれるか、これらの基本をおさえた上でさらに提案してくれそうな会社か、などはこういった初歩の知識をもっているとよりクリアにみえてきます。

次のステップで「どの会社がよいのかわからない」といった際に頭を整理するための一助になります。

図解リノベーション大百科 編集 建築知識

リノベーションのことを調べていて、最もわからないのは「設計」のプロセスではないでしょうか?

素敵な施工事例をみていても、設計者がどんなことを考えてそのプランを提案しようとしたか、はなかなか見えてきません。

この本ではいくつかのリノベーションアイデアを例えば「使いやすいキッチンを作る」→「I型→L型にして広く使う」といった具合にどんなことを考えてどんな風にプランをつくったのか、といった「設計者の発想」の一部を図解でみせてくれます。

こういった設計や工事に関するやや専門的な内容を図解でわかりやすくみせてくれる本はいくつかありますが、その入門編としておすすめです。

単純に「そんな風に考えられるんだ!」といった発見がある本です。

リノベ情報雑誌

リノベ専門の情報雑誌は、事例写真などが豊富で見やすい、図面や施工データなどが充実している、多くの会社を手軽に比較できる、など紙媒体の雑誌ならではのメリットがあります。

テーマ性のある特集記事や最新の動向のキャッチアップなども魅力です。

以下に代表的な雑誌を挙げておきます。

「LiVES(ライヴズ)」第一プログレス

リノベ情報雑誌の老舗です。「スタイルのある家に住む」のキャッチどおりに、おしゃれなリノベ事例などが豊富です。戸建とマンションの両方を扱っています。

「relife+(リライフプラス)」扶桑社

先のウェッブサイト「リノベりす」の母体となっており、マンションリノベを専門にしたリノベ情報雑誌です。マンションリノベに特化した情報やマンションならではのテーマを設定した記事などが掲載されています。

まとめ

今やリノベーションの情報はWebサイトやSNSでもあふれかえっています。それらをうまく活用するだけでも情報収集としては十分です。

特にここにあげたポータルサイトなどは情報が充実しているので、気になる記事や事例を読み進めていくと基本的なことはおさえられます。

リノベーションを成功させるための進め方や注意点を知っておきたい、といった方はここまでで充分かもしれません。

でも、せっかくリノベするのであればより好奇心をもっていろいろ調べてみた方が楽しい!といった方はここにあげたような本をきっかけに、設計者のアイデアやいろいろな素材、工事のおさまり、などプロの考えや技の魅力にふれてみてください。

これからはじまるリノベーションを会社選びや打ち合わせからずっと「楽しむ」ためのコツが沢山発見できるので。