リノベーションでロフトを作る!<br>増設事例や作る際の注意点を解説
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リノまま編集部

リノままは「大きな企業の中の小さな設計事務所」として設計・工事・不動産それぞれの専門知識をもった少数精鋭のチームでひとりひとりのお客様と向き合っています

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ロフトがあると秘密基地のような隠れ家やワークスペース等、あなただけの特別な空間を作り上げることが可能です。しかし、リノベーションでマンションにロフトは作れるのでしょうか。今回は、マンションのロフト増設事例・メリット・デメリット・注意点を解説します。

お部屋が狭い、収納空間が足りないという不満はないでしょうか。ロフトは間取りを変えることなく、限られたスペースを有効活用できます。部屋にロフトがあると収納・寝室・書斎・隠れ家等、あなただけの特別な空間を作ることができるでしょう。しかし、リノベーションでマンションにロフトは作れるのでしょうか。今回はマンションのロフト増設事例・ロフトのメリット・デメリット・注意点をご紹介します。

リノベーションでマンションにロフトは作れる?

ロフトは、限られたスペースを有効活用する手段の1つです。初めからロフト付きのアパートに住むか一軒家にしか作れないと思われるかもしれませんが、工夫次第でマンションでもロフトを作ることができます。ロフトは縦に2つのフロアを重ねる工事になるため、天井までの高さがある程度必要になる等の条件はありますが、部屋の特徴に合わせた工夫で対応できます。

ロフトとは?

ロフトは、部屋の一部を2層構造にしてできた追加スペースです。屋根裏部屋に近いイメージですが、屋根裏部屋のような独立した部屋ではなく、部屋の空間の一部になります。ロフトを物置や書斎・就寝用のスペースにする活用法があります。

リノベーションをしたマンションのロフト増設事例

マンションでのロフト増設リノベーションにはどのようなものがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、リノままが実際に手掛けたマンションのロフト増設リノベーション事例をご紹介します。

ロフトの造作で収納量を確保する

お子さまが巣立ちしたことで暮らし方が変わり、趣味の部屋用の部屋や収納スペースが欲しい等のご要望があり、ロフトの設置でスペースを有効活用しています。リビングの一角に胸の高さほどのロフトを設置し、広く開放的な雰囲気を損なわないようにしています。ロフトベッドを縦並びで設置し、直線状にスペースを取ることでワークスペースを作ることができました。大人の雰囲気を醸し出す雰囲気・デザインがポイントです。

趣味を飾る大人の隠れ家- リノまま(東京テアトル)

ロフトのような小上がりに収納スポットを増やす

もともと1LDKだった間取りのため収納が少なく、収納スペースが欲しい等のご要望があり、小上がりのようなロフトの設置でスペースを有効活用しています。上を就寝スペース、下を収納スペースにしており、たっぷりした収納スペースを確保できました。当初ではロフトを中二階のようにする計画でしたが、就寝時に天井が低くなり圧迫感があるため、小上がりにしました。ロフトの広さやスペースの使い方を想像しながら、可動棚の隠し収納や書斎・本棚スペース等も加え、快適な寝室と作業用のスペースを同時に確保できるのがポイントです。

猫の隠れ家- リノまま(東京テアトル)

リノベーションしてマンションにロフトを作るメリット

マンションは狭いと感じてもそれ以上広くすることは不可能です。しかし、ロフトを増設するリノベーションを行うことで、部屋の一部を実質的に倍のスペースとしての活用ができます。以下では、マンションにロフトを作るメリットを細かく解説します。

収納スペースが増える

収納スペースには限りがあるため、家に長く住めば住むほど物は増えてしまいがちです。ロフトは、空間の縦の重なりを活かせるので、収納スペースとして有効活用できます。空間を上下の2つのスペースに分けることができるので、単純にスペースが倍になるのと同じ効果を得ることができます。衣替えの服や季節家電も収納できるため、居住スペースが圧迫されることもなく無駄なスペースを有効活用できるでしょう。

居住スペースが増える

ロフトを居住スペースにすると、空間を有効活用しつつおしゃれな雰囲気を演出できます。ロフトの活用方法で特に多いのは、就寝スペースでしょう。ロフトをベッドのように利用すると、下の空間部分を別の目的で利用できます。就寝スペースが最小限で良い方の場合は、ロフトを高く設定することで下の部分の空間を大きくとることができ、リビングをより広く見せる方法もあります。

課税されないため税金面での負担を抑えられる

ロフトは延床面積に入らないため、居室扱いにならず税金等の課税対象になりません。ロフト増設には、天井高やロフトの面積に対しての制限はあるものの建築基準法や自治体の条例内の場合は課税されません。しかし、自治体の条例は行政区により異なるケースが多いため、ロフトに上がるはしごの増設の可否等、さまざまなルールがあります。素人判断でロフトを増設すると税金がかかるケースもあるため、住んでいる行政区や建築・リノベーション会社と事前確認を行いましょう。

リノベーションしてマンションにロフトを作るデメリット

マンションにロフトを置くことは、空間を有効活用できる一方で以下のようなデメリットもあります。

  • 冷暖房が効きにくい場合がある
  • 天井が低くなるため用途が制限される
  • はしごでの昇り降りが大変である

以下でロフトのデメリットについて具体的に解説します。

冷暖房が効きにくい場合がある

ロフトは空間を上下で仕切るため、上下の空気の対流が阻害されてしまいます。空気は暖かいほど軽く、寒いほど重くなる性質があるため、ロフト上部は熱く下部は寒い等の差が生まれることがあります。そのため、場合によってはエアコンの位置を変える必要があるでしょう。最悪の場合は対処ができず、温度調整ができない状態を我慢して使い続けるケースもあります。

天井が低くなるため用途が制限される

ロフトは空間を有効活用できますが、天井が低くなりがちです。ロフトを就寝スペースにするケースは多いですが、寝ていると思っていたよりも天井が近く圧迫感を感じてしまう、ロフト上で立ち上がることができず頭をぶつけてしまう等の問題もあります。また、収納スペースとして使う場合は、楽器等の大きく高さがある物や丈の長い衣服だと収納ができない可能性もあります。ロフトを使うイメージや収納する物を事前によく考えておくことが重要です。

はしごで昇り降りが大変である

ロフトが高い場合は、はしごを使う必要があるでしょう。また、ほとんどの地域で固定階段が設置できない問題もあります。はしごでの昇り降りは負担になる場合も多く、特にお年寄りの場合は昇り降りが危険です。リノベーションでロフトを設置する際は、足腰が弱ったときのことも考えておくと良いでしょう。

リノベーションでマンションにロフトを作る際の費用や期間

ロフトは、家具のようにすぐ組み立てられるようなものではありません。床やロフトの耐久重量等を考慮し、専門の建築業者やリノベーション会社が工事を行う必要があります。ここからは、リノベーションでマンションにロフトを作る場合の費用や期間を解説していきます。

リノベーションでマンションにロフトを作る際の費用

一般的なロフトの設置費用は、およそ50万〜100万円程度と言われています。設置するロフトの広さや内装材によって変動するため、空間を仕切るだけでなく断熱材や電気設備を組み込む場合はさらに費用がかかる可能性もあります。また、ロフトだけでなく部屋全体をリノベーションする場合は、そのための費用も必要です。リノベーションでマンションにロフトを作る際は、事前にいくらぐらいかかるのか見積もりをしっかりとりましょう。

リノベーションでマンションにロフトを作る際の期間

ロフトの設置には設置するロフトの大きさや工務店によって異なりますが、2日〜1週間ほどの時間がかかるでしょう。また、電気工事や断熱リフォームをする際はさらに時間がかかる場合もあります。工事中はホテル等に泊まる必要も考えられるので、スケジュールの把握は重要です。

リノベーションでマンションにロフトを作る際の注意点

ロフトは、空間を有効活用する魅力的な手段ですが、設置費用や期間がかかるだけでなく、一度設置してしまうと取り除くのにも工事が必要です。また、余計な税金をかけないためには自治体のルールも守る必要もあります。リノベーションで後悔しないロフトを作るための注意点を解説します。

天井高に注意する

建築基準法では、天井高は2.1m以上なくてはならないと定められています。ロフトも例外ではなく、ロフトを作った際も床からロフトまでの距離を2.1m確保しなくてはいけません。高さ同様にロフトの床面積にも決まりがあり、ロフトのある階の床面積の1/2未満に抑える必要があります。また、外部と行き来できないようにする等の細かいルールもいくつか存在するため、事前に確認しましょう。

ロフトの用途を明確にする

ロフトの使用用途が曖昧だと使いにくい空間ができるだけになり、せっかく増設しても有効活用ができません。特に、就寝用等の居住スペースとして利用する想定であれば、ロフトを実際に使用した時のことを想像し、快適かどうか考えておいた方が良いでしょう。収納スペースに利用する場合でも、収納するものや上部に収納するなら持ち上げられものかも考慮してください。

断熱や空調を考慮する

ロフトを寝室等の居住スペースにする場合は、空調の効きやすさが非常に重要です。空気は上部が暑く、下部は寒くなる性質があるので、ロフトが居住スペースとして最適かどうか考えておきましょう。部屋全体をリノベーションする場合は、ロフトの位置や使用目的に合わせ、空調の位置や断熱を考慮したリノベーションを計画してください。外気に接する面に、断熱材を仕込む対策もあります。

自治体が定めたロフトの寸法や仕様を守る

ロフトを増設する際は、税金対策を行うためにも建築基準法を守る必要があります。自治体により寸法や仕様等の細かいルールが異なるため、ロフトの広さや高さ・はしごや階段のどちらが許可されるか等、事前に必ず確認してください。自治体の規定に違反すると課税対象になる可能性があるため注意が必要です。

リノベーションでロフトを作るならリノままにお任せください

リノままでは、お客様のリノベーションでロフトを作りたいというご要望に応じて、さまざまなアイデアを出しながらリノベーションをご提案させていただいています。

リノままには経験豊富な設計士と施工管理士が在籍しており、デザイン性に富んでいるため、マンションにおしゃれなロフトを増設するためのアイデアの引き出しは豊富にあります。また、お客様のご予算に応じて柔軟な対応や提案も可能です。

ロフト増設で生活空間のリノベーションを考えておられるなら、ぜひ一度ご相談ください。

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まとめ

今回は、マンションのロフト増設事例・メリット・デメリット・注意点を解説しました。

ロフトは空間を有効活用できるため、収納スペースや居住スペースを増やすことが可能な上に、規定内ならば税金がかかりません。一方で設置の規定を守る必要があり、費用や工事期間もかかり、空調等を考慮する必要もあります。後悔しないロフトを設置するために、ロフトの使用目的を明確にし、信頼できる施工業者に相談しましょう。リノままでは、ロフト増設も多数行っていますので、快適な居住空間をお探しの場合は、ぜひご相談ください。