Y様 住まいづくりSTORY 〜リノベーション編〜


> after写真 - お引き渡し日の様子

前回、物件探しを無事に終えて、いよいよリノベーションのお打合せが始まります!

「こんな暮らしをしたい!」というイメージから、設計図面におこしていく作業。

どのように進めていくのでしょうか?

Y様に振り返っていただきました。

 


目次

1 リノベーションでやりたかったこと

2 イメージを形にしていく設計プラン

3 リノベーション前は、こんなに狭苦しい印象でした。

4 ついに工事スタート!まずは必要のないところだけ取り払ってセミスケルトンに。

5 ついにお引き渡し。理想の住まいとご対面!

6. 実際に暮らしてみて

7. リノままでの「中古を買って+リノベーション」を振り返って

 


 

1. リノベーションでやりたかったこと


>リノベーション設計 お打ち合わせ風景

『自分たちがしたいことを遠慮なく話せる雰囲気を、李さんが作ってくださったことがありがたく、自由な発想でやってみたいことを伝えることができました。』/Y様 

物件が決まり、購入の準備を進めながら、リノベーションの打合せが始まりました。

購入直後のタイミングですぐ工事を始められるように、スケジュールを組んでいきます。

もともと住んでいた方の家の家賃と、新しい家のローンの支払い、二重払いになってしまう期間をできるだけ短くするためです。

 

初回の打合せは、11/28。

設計は、李さんに担当していただきました。

 

物件探しの時にイメージを膨らませた、リノベーションでやりたかったことは、こんな感じ。

・家族で集まれる広いダイニングルームをつくる
・雰囲気のあるトイレにする
・服を思う存分しまえて選べるウォークインクローゼットをつくる
・靴を並べられる土間玄関をつくる

特に、服や靴は大好きでたくさん持っていたので、収納スペースをしっかり取って、毎日の洋服選びをスムーズにできるようにしたい、という気持ちは大きかったです。

そこで、南青山にある好きな洋服屋さんのインテリアを参考にすることにしました。

毎日、買い物をするときのように、服を合わせながら考えられたら楽しいですよね。

 

いざその洋服屋さんの空間イメージを伝えようと思ってもなかなか難しい…。

写真だけでは上手く共有することができなかったのですが、李さんが実際に、そのお店へ視察に行ってくださいました!

そのおかげで、私たちがやりたいインテリアのイメージや素材感を共有でき、話がトントン拍子で進んでいきました。

 

お店のように、個室は極力つくらずに、部屋を広く感じられる間取りでお願いすることにしました。

「無垢の建具を使いたい」「ヘリンボーンの床を取り入れたい」「ここに収納が欲しい」など、自分たちがしたいことを遠慮なく話せる雰囲気を、李さんが作ってくださったことがありがたく、自由な発想でやってみたいことを伝えることができました。

 


 

2. イメージを形にしていく設計プラン
>リノベーション設計 ラフプラン

『「お客様の本音を引き出す」ことをいちばん大切に。当初のインテリアイメージは譲らず、低価格でも質感の良いものをご提案していきました。』/リノまま設計 李

Y様からお話しいただいた、やりたいことすべてを導入すると、残念ながら予算オーバーになってしまいました。

こういう時にはまず、その中でも何を大事にしたいか、どれを優先したいか、を明確にしていただくことから始めます。

 

Y様の優先順位がもっとも高かったのは、「無垢の建具」と「ヘリンボーンの床」。

この2つを最優先に、プランを練っていきます。

予算内で実現するため、インテリアイメージは譲らずに、低価格でも質感の良いものを取り入れるご提案をしました。

・廊下以外の床を見た目は無垢に近い合板タイプに
・見えにくい箇所の棚はシナランバー(コアとなる芯板に、シナ合板(ベニヤ)を貼ったもの)に
・室内窓の数を減らす
・内装材を量産クロス中心に
・塗料は種類が増えれば予算もかかるので、なるべくまとめる

これらの工夫によって、当初はリビングのみ無垢の建具を使用するご提案でしたが、最終的には、パントリー入口引戸とリビングのガラス引戸以外はすべて無垢の建具にすることができました。

 


> after間取り図

ご提案した間取りは、主役のリビングを広くとった1LDK。

キッチンの向きは、初回は2列型のキッチンを提案しましたが、お二人の要望や生活スタイルを伺った結果、対面だと意外と場所をとってしまうので、あえて、I型に。

省スペースながらも、家族との距離も近いリビングダイニングを目指しました。

 

洋服や靴をたっぷり収納できるスペースを確保するために、間取りの面積配分には気を配りながらプランを練りました。

今後、ふたりのお子様と暮らすことをイメージされていたので、将来的には子ども部屋として仕切ることができるような部屋を用意しています。

今はまだ個室は必要ないので、臨機応変に使えるように、ガラス張りの引き戸を設置。

室内窓もうまく取り入れ、風通しよく、“明かりが入らない部屋を作らない”工夫をしました。

 

設計プランのお打合せで、私が気をつけていることは「お客様の本音を引き出す」ことです。

そのために、「漠然とどうされたいか、と伺わない」ことを意識しています。

 

Y様とのお打合せにおいても、必ず図面やスケッチでたたき台を複数ご提案し、そこからご夫妻のご意見を引き出すようにしていました。

漠然とご要望をお聞きするよりも、たたき台を見ながらの方が、「ここはもっと広くしたい」、「この高さだと使いづらい」、「こんな感じの収納を置きたい」などのように、より具体的なご意見をいただけます。

 

また、お客様にもよりますが、若いご夫婦の場合は、長く生活されたご夫婦のリノベーションとは違って、なかなか生活スタイルや互いの好みを深く理解されていなかったり、まだ少し互いに遠慮があったりすることもあります。

そういった場合は、本音を引き出すのが難しいこともあるので、こちらから複数プランを書き起こして、お見せすることで、実際の生活をイメージしながら、「こうしたい」、「これはいやだ」を言いやすい環境をつくるようにしています。

 

若いころから今まで、いろいろな会社で先輩設計士を見てきておりますが、設計士はどうしても先生的なところがあるので、お客様の意向やご予算を汲み取らず、自分よがりのデザインや趣味趣向の世界に入ってしまうことが多く、個人的に使ってみたいデザインや高い材料を進める設計士もたくさん見てきました。

素敵に見えてもお客様の予算オーバーだったり、お客さまもなかなか正直な気持ちを言い出しにくかったり…といった案件もたくさんありました。

だからこそ、「その真逆をやればいい」といつも思っているんです。

お客様と設計士がきちんと本音をぶつけ合い、互いに達成感・納得感のあるリノベーションのご提案を心がけています。

 


 

『打合せを経て、イメージがどんどん形になっていくのはとても楽しかったです!』/Y様

打合せの中で、私たちが「こうしてみたい」ということに対して、李さんが設計プランとして、図面に落とし込んでいってくださる過程はとてもわくわくしました。


> after写真 - リビング3枚ガラス引き戸

いちばん最後まで迷ったのは、リビングと洋室を仕切る、3枚ガラス引戸。

この洋室は、将来的には子ども部屋にする予定ですが、すぐには必要ないので、リビングダイニングを広々ゆったり感じられるよう、大きなひと部屋のような使い方をすることにしていました。

最初に悩んだのは、今回のリノベーションで、「引戸をつけて、必要な時は仕切れるような仕様にするのか」、「今は引戸を設置せず、個室が必要になった時に工事するか」。

引戸をつけよう!と決めた後も、「造作か既製品か」、「木やガラスの素材はどれにしようか」などなど、なかなか決められませんでした。

いろいろと悩んだ末、パナソニックの透明ガラス引戸が良さそうだと思ったのですが、ここだけ既製品を使うことになるので、色味や無垢材とのバランスは大丈夫か、と不安はありました。

打合せの最終段階だったのですが、ここでも李さんが密に連絡を取ってくださったのが、ありがたかったです。

李さんが再度、パナソニックのショールームに足を運んでくださり、画像を送ってくださいました。

全体のバランス・色の確認をしながら、イメージを共有していただけたおかげで、ギリギリになりましたが、最終的には納得して決断することができました。

 

李さんは「いいですね!」と推してくださるだけでなく、設計士の経験から「それはやめておいた方がいい!」ということもしっかり伝えてくれる方でした。

そのおかげもあって、最終的にはバランスをとることができたと感じています。

 

初回のプレゼンテーションを経て、打合せを重ね、好みの素材をセレクトしていくことで、イメージがどんどん形になっていくのはとても楽しかったです。

 


 


> after写真 - キッチン

『今までの経験から、やめた方がいいと思うことはハッキリとアドバイスはさせていただきつつ、お二人の持つ素敵なセンスも引き出せたらいいな、という想いで、お打合せしておりました。』/リノまま設計 李

プランが進んでいき、「これをやりたい」、「あれをやりたい」と、いろいろ考えているうちに、迷宮入りしてくることもあります。

 

Y様も、もともとは 「これからインテリアを考えやすいように、3色くらいまでの色使いで」とお話されていましたが、塗装・内装と決めていく段階で、色がいろいろと入り始めてしまっていました。

内装の色決めの段階で、「当初どういったことをやりたかったのか」、「どういうイメージにしたかったのか」ということをもう一度思い出しながら、クロスの色使いを整理していきました。

その中で私からも、「この色はやめた方がいい」、「この素材の方がまとまる」など、ハッキリとお伝えさせていただきました。

 

また、コンセント・スイッチの位置は、「ここにもあると便利かも」と、ついついたくさん欲しくなってしまいます。

結局使わなかったな…というところにまで設置してしまっても、無駄に予算だけが膨らむだけです。

ですので、電気照明プランのお打合せの際には、「ここは不要では?こうした方がきっと使いやすいです!」要らないコンセントは削減できるように、話し合いをしました。

 

調光機能についても同様です。

照明の調光を入れるお客様は多いですが、私がご訪問にいくと、「死んでいる調光」を見ることも多々あります。

「実際に生活してみると、調光は必要じゃなかった…」という方が多いんです。

Y様にも「本当に調光いりますか?」とお聞きして、取り入れないことにしました。

ここは予算節約にもつながった点です。

 

その他、設計プランの段階でも、寸法(幅や高さ)を決める際、奥様とご主人様の意見が違うときには、私自身の主婦の経験を活かして、「この方がこういう面で使いやすい!」、「将来子供ができた時にはこっちの方がいい!」など、ハッキリと意見させていただきながら、プランを進めてきました。

これもお客様と私たちとの信頼感があるからこそ、できることだと思っております。

決断いただく前に、「どうしてダメか、将来こういうリスクがある」ということをご理解いただいた上で、選択していただくのがとても重要だと考えています。

 

20年近くこのお仕事をしているので、たくさん経験をしてきましたが、そのぶん失敗もありました。

経験上、やめた方がいいと思う場合はハッキリとアドバイスはさせていただきつつ、お二人の持つ素敵なセンスも引き出せたらいいな、という想いで、お打合せしておりました。

 


 

3. リノベーション前は、こんなに狭苦しい印象でした。


> before写真 - 玄関

リノベーションのこの物件は、玄関廊下が暗くて狭く、梁も大きく窮屈な印象。

風通しも悪く、面積が広い割にはごちゃごちゃしていて動線がスムーズではありませんでした。

せっかく天井は高さがあるのに、梁の凹凸が目立つせいで、狭苦しい印象でした。

 


> before間取り図

 

〜before写真一覧〜

 


 

4. ついに工事スタート!まずは必要のないところだけ取り払ってセミスケルトンに。


>工事中スケルトン写真

『限られた予算の中で、デザインや暮らしやすさのために費用を使えるように、節約できるところは工夫することも大切だと考えています。』/リノまま設計 李

工事の第一段階は、古い設備を取り払って、ほぼ躯体(建築物の構造体、骨組み部分)だけの状態にします。

ここで全て取り払ってしまってゼロの状態に戻してからリノベーション工事をする、というのが一般的なのですが、リノままでは「セミスケルトンリノベーション」という、壁や床の下地など、活用できる部分は再利用する方法をお勧めしています。

素材などの見える部分は全て新しくなるので、見た目に古いまま残るということはありません。

素材を活かしながら、エコに予算を削減することもできます。

 

もちろん全てを取ってしまって、ゼロの状態から工事をする方が、手っ取り早いし簡単です。

でもそれでは勿体ないですし、環境やお財布に優しくありません。

私たちは、安全に再利用できるかどうかを見極める、プロの目を持っています。

お客様に安心して長く住める家をお渡しすることはもちろん、限られた予算の中で、デザインや暮らしやすさのために費用を当てられるように、節約できるところは工夫することも大切だと考えています。

 

〜工事中スケルトン写真一覧〜

 

 


 

5. ついにお引き渡し。理想の住まいとご対面!


>> after写真 - お引き渡し日の様子

気になっていた梁を上手く部屋の境界におさめるするなど、なるべく高低差を感じず、梁の存在をわかりにくいように設計。

これから選ぶ家具やカーテンなど、それぞれが主張しすぎないようにしたい、というご希望でしたので、色味を全体的に抑えた、白・グレー・木の色味にまとまっています。

無垢ドア、オークフローリング、塗装などをとり取り入れたことで、長くつかえばつかうほど、素材の味が出る、ぬくもりある飽きないデザイン。

室内窓やガラス張りの引き戸をつかって、明るくて風通しがよく、インテリアの映える空間に仕上がりました。

 

〜after写真一覧〜

 


 

『お客様が「私たちがこんな素敵な家に住んで、本当にいいのかしら!?」とつぶやかれたのが 大変に印象的でした。』/リノまま設計 李

お引き渡し前に、初めて完成した住まいをY様にご覧頂いた際に、「私たちがこんな素敵な家に住んで、本当にいいのかしら!?」とつぶやかれたのが 大変に印象的でした。

私は「もちろんです!」と即答しましたが、そのくらい感動頂き、心から喜んで頂けた瞬間を目の当たりにし、私もこんな年齢ですが、更に頑張ろう!とエネルギーを頂きました。

特に、コロナの先行きが不透明な時代、これからの住まいをご購入される若い方たちのために、もっともっと上を目指してサポートしてあげたい!と思った瞬間でした。

 

6. 実際に暮らしてみて


> after写真- ウォークインクローゼットと玄関廊下

『大きく変わったのは、服選びがしやすくなって、毎朝の支度が楽しくなったことです!』/Y様

まだまだ外に出かけづらいご時世が続いているので、家にいる時間は長いです。

特にリビングにいることが多く、テレビで野球観戦や映画鑑賞をしながら快適に過ごしています。

家全体の風通しが良いので、たまにとる昼寝が最高です…!

 

家の中で特に気に入っている場所は、雰囲気の良いトイレと大好きな服に囲まれるウォークインクローゼット。

服と靴のスペースが格段に増えたので、毎朝の服選びが非常にしやすくなったことが、生活の上で大きく変わったなと感じるところですね。

イメージしていた、好きなお店で洋服を手にとって、コーディネートしていくような感覚で、毎朝の支度が楽しくなりました。

 

これから家具を順番に買い足していって、もっともっと理想の部屋に近づけていきたいです。

 


 

7. リノままでの「中古を買って+リノベーション」を振り返って


> after写真 - 玄関廊下、洗面台

『これから住まいづくりを考えている方は、人生の大切な決断を一緒にしてくれるパートナーを見つけることが最初のステップだと思います。』/Y様

「リノベーションをやってみようか」と最初に相談会に行ってから、実際の引っ越しまで、約10ヶ月。

正直、長い道のりなので、信頼できるパートナー選びがとても大切だと感じました。

 

私たちは、物件探しも設計の打合せも、秋山さんと李さんがとても相談しやすい方だったので助かりました。

物件探しが始まってから、決断の繰り返しでしたが、最初の段階に、担当の秋山さんと打合せを繰り返していたことで、住まいに求めているものの優先順位が整理されていったことが大きかったです。

最終的に、物件は思いもよらないエリアになりましたが、自分たちが物件に必要としているものの本質を突き詰めていったことで、理想の住まいに出会えました。

 

設計に関しても、李さんが自分たちのやりたいことをただ聞いてくれるだけでなく、率直に意見を言ってくれて、良いことも悪いことも正直に説明してくださる方だったので、最後まで信頼して進むことできました。

 

これから住まいづくりを考えている方は、人生の大切な決断を一緒にしてくれるパートナーを見つけることが最初のステップだと思います。

人によって理想や条件も違ってくるので、親身になってくれる会社さんを探してみてくださいね。

 


 

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