在宅ワークがはかどる!ワークスペースの作り方とリノベーション事例をご紹介

在宅ワークに必要なのは、リビングにあるワークスペース?それとも完全個室の書斎?!

コロナ禍以降、ライフスタイルが変化し、おうちでの過ごし方も少しずつ変わってきていることを、私たちリノままも日々、肌で実感しています。

特にお仕事との向き合い方。

在宅ワーク(リモートワーク)が一般化してきたことによって、「自宅で快適に仕事をするには?」と試行錯誤されている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、在宅ワークを前提としたお客様が今どのようなワークスペースを求めているか、リノベーション事例を通して最新のリノベーションアイデアをお伝えしていきたいと思います。


リノまま編集部

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リノまま編集部

リノままは「大きな企業の中の小さな設計事務所」として設計・工事・不動産それぞれの専門知識をもった少数精鋭のチームでひとりひとりのお客様と向き合っています。

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在宅ワークスペースをつくるには?

リノベーションで在宅ワークスペースをつくっていくには、まずどんなワークスペースが必要なのかをしっかり考えておく必要があります。

リノベーション全般に共通することですが、基本は「どんなことをするための場所か」という「目的」が重要です。ワークスペースであれば、仕事のための場所なので、仕事の内容によって求められる条件が変わってくるのです。

ワークスペースに必要な広さ

在宅ワーク(リモートワーク)には決して広大なスペースは必要ではありませんが、そこでどんなお仕事をされるかによっては必要な広さも変わってきます。

・ノートPC1台あれば十分⇒小型のデスク+椅子

・大型のデスクトップPCや複数台のPCが必要
PC以外にも資料を広げるスペースが必要⇒大型のデスク+椅子

・書籍など多くの資料が必要⇒デスク+椅子+本棚

いずれもほんの一例でわずかな違いに見えるかもしれませんが、リノベーションではまず「何のために使うスペースか」、そのために「どのくらいの広さが必要か」を細かく考えていくことがとても重要です。

お住まいの中の限られたスペースの中でどれだけワークスペースに費やすか、お住まい全体の過ごしやすさも、ワークスペース自体の使い勝手も大きく変わってきます。 できるだけ自分たちの使い方に対して大きすぎず、小さすぎないスペースをとっておく、というのが理想です。

ワークスペースに必要な環境

リビングの一角にデスクを設ける、などオープンなスペースにワークスペースをつくるか、個室にするか、個室であればどこにつくるか、などでお仕事をする環境も変わってきます。

・電話対応などが多く、他の部屋の音から隔離したい
仕事にできるだけ集中したい、ON、OFFを切り替えたい⇒個室、リビングから遠く

・お子様の様子もみながら仕事できるようにしたい
⇒リビングの一角、リビングに隣接した半個室、等

必要なワークスペースの数

テレワークが一般的になってきた昨今ではワークスペースの数も重要です。ご夫婦それぞれワークスペースがほしい、ご夫婦が並んでお仕事できるスペースがあればよい、ご夫婦のワークスペースのみならずお子様のオンライン授業用のスペースもほしい、など、必要な数も様々です。

さらに「旦那さまのテレワークスペースはリビングの一角でもよいけど、奥さまは仕事柄個室のワークスペースがほしい」などそれぞれのワークスペースごとに必要な広さも環境も異なってきます。

ワークスペースをリビングの一角に


>リノベーション事例「こだわりの家」|リノまま

コロナが流行する以前、ここ最近までは“リビ充”(=リビング充実の略)という言葉も出てきていたくらい、「広いリビングを多機能化させる」ことがリフォーム・リノベーションの定番となっていました。

例えば、リビングダイニングをできるだけ広くして、料理や食事、くつろいだりするだけではなく、子ども部屋もひと続きにしてみたり、ベッドスペースも作ってみたり。

リビングで過ごす時間が増えることで、家族との距離が近くなり、コミュニケーションもとりやすくなります。

その中で、読書やPC作業のためのワークスペースもリビングダイニングに作ることが多く、お子様の学習、ご夫婦のデスクワークなど、一緒に作業に取り組める環境を理想とされるご家庭も多くいらっしゃいます。

リノままのお客様の中では、例えばこちらのご自宅。

【リノベーション事例】リビングの一角にオシャレなワークスペース

デザイナーのお仕事をされているご主人が、リビングダイニングで家族とくつろぎながら作業ができるようにしたワークスペース。

有孔ボードや造作棚を駆使して、文房具やインテリアをデコレーションしながら、見せる収納を実現しています。

【リノベーション事例】半個室・子上がりのワークスペース

お子様とご夫婦が並んで作業できるように、造作カウンターを作ったこちらの住まい。

「どこにいても家族の存在を感じられるように」という旦那さまの想いから、ワークスペースは半個室になっています。

リビングダイニングからは目隠ししたり、半個室の引き戸を開けてオープンにしたり、その時々でいろんな過ごし方ができるのが魅力。

小上がりも利用して、省スペースも◎。

【リノベーション事例】半個室・夫婦で並んで使えるワークスペース

こちらは、ご夫婦のための半個室のワークスペース。

あえて「個」の空間にはせず、リビングと一体だけどちょっと集中したい、そんな空間にしました。

カウンターに座ったらリビングからは見えないけれど、立ち上がるとリビングが見渡せます。

ご夫婦2人でPCを並べて腰掛けられる、勉強部屋です。

どのご自宅も個性が見られて、素敵ですよね。

これらのご自宅は、コロナによって在宅ワークがより一般的になるより前のリノベーション事例。

では、在宅ワークを前提としたとき、どのようなワークスペースが求められているのでしょうか?

完全個室のワークスペース

現実的に在宅ワークをするしかない環境になったとしたら、みなさんはどのようにしてお仕事をしますか?

これまでの「勤務先でのお仕事を少し持ち帰って、自宅で軽めのデスクワークをする」という形とは異なり、「在宅ワークですべて業務をこなさなければならない」となった場合、「家族と過ごしながら作業をする」というのは不向きだと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

例えば、

・お客様からの電話対応
・ZOOMでのプレゼン業務

などなど、共働きのご夫婦や、お子様がいらっしゃる家庭では、リビングでの仕事は現実的に捗らない、、というお声をいただくようになりました。

ここでは実際に、コロナによる自粛期間中に設計のお打ち合わせをしていたお客様の設計時のエピソードをご紹介していきます。

【Episode1】在宅勤務になって急遽、書斎が必要になった!


>完成間取り図|リノまま

こちらの事例は、小学生の男の子が2人いらっしゃるご家族。

完成したのがつい1週間前という、出来たてほやほやの新居です!

上の間取り図を見ていただくと、リビングの造作カウンターと、左上のウォークインクローゼット(WIC)の中にある机と、ワークスペースが2箇所あるのがわかりますね。

ですが、設計当初にはリビングのワークスペースのみの予定だったのです。

↓こちらが、実際にお客様にお出しした初プラン。


>初プラン|リノまま

ウォークインクローゼット(WIC)には机はなく、ラックなどの収納のみなのがわかります。

実は、このお客様がリノままにてお打ち合わせをスタートしたのが、ちょうどコロナが影響し始めた4月頃。

打ち合わせを進めていく中で、「旦那様がお仕事するためには、ワークスペースが絶対に必要!」ということになり、個室のワークスペースを作るため、プランに手を加えていきました。

↓元々、想定していたリビングにある造作カウンターを横から見た図がこちら。

コロナ渦以前、旦那様は自宅でお仕事することはなかったので、リビングのデスクカウンターはあくまでもお子様のお勉強や、家族のPC作業・プリンタースペースの予定でした。

「特に小学1年生になったばかりの弟くんが、目の届くところで勉強や読書をできるように」という奥様のイメージ。

お母さんが家事をしながらでも、お子様と会話ができる配置になっています。

しかし、コロナの影響で完全に在宅勤務になった旦那様。

いざ、在宅ワークのみで業務をこなそうとしたとき、どうしても個室は必要だ!と感じられたそう。

というのも、オンラインでホワイトボードでの講義を配信するなどのお仕事があり、そんな場面では、リビングの生活感を公開してしまう訳にもいかないですよね。

そこで急遽、ウォークインクローゼットの一部をワークスペースに変更。

ホワイトボードを壁面につけるなど、集中してお仕事ができるスペースに特化して空間づくりをしていきました。

↓お引っ越しされたのお客様から届いたお仕事風景がこちら!

快適に在宅ワークをされているようで、リノままスタッフも嬉しい気持ち!

また、WICの入口は、当初アーチ型の壁で、フルオープンにする予定でしたが、それだと「お子様の声やお家の生活音が聞こえてきてしまう!」ということで、設計の最終段階で急遽アウトセット引戸をつけることに。

そうすることで、より集中できる環境を作ることができました。

WIC側から見ると、引き戸が壁にすっぽり収まる形なので、引き戸をあけているときは、廊下側からは見えず、デザイン的にもスッキリ。

アーチの壁もそのまま活かせ、機能も果たせます。


↑ウォークインクローゼット側から見た写真


↑廊下側から見た写真

コロナの影響でライフスタイルが180度変わり、リノベーションプランの変更が必要になってしまったこの事例。

でも、あえて個室をつけたさなくとも、ウォークインクローゼットのちょっとしたスペースを利用して、書斎をつくることはできるんです。

「暮らし方に合わせて住まいを変える」、リノベーションならではのアイデアです!

↓こんな素敵なワークスペースをしつらえたリノベーション事例【”家族思い”な快適ハウス】

【Episode2】リノベーションだからこそ作れるオリジナル造作テーブル


>完成間取り図|リノまま

こちらの事例は、コロナ渦以前に設計のお打ち合わせが始まり、工事中にコロナの影響が出始めた時期のお客様のお住まい。

旦那様は、前のご自宅でも在宅勤務をされており、そのときはリビングで作業をされていたそう。

「集中して在宅ワークをするために、新しい住まいにはやっぱりリビングとは別の場所にワークスペースがほしい!」という思いに至ったといいます。

そこで、ウォークインクローゼットにしようとしていたスペースをまるまる書斎に変更。

(その分の収納は、寝室壁側のクローゼットに置き換えました。)

この書斎の面白いところは、リノベーションならではのアイデアが組み込まれているところ!

まだ写真はないですが、図でご紹介していきたいと思います。

↓書斎を上の完成間取り図でいう【3-1】方向で見た断面図と、【3-2】方向で見た図がこちら。

【3-1】では、左が寝室側、右がリビング側です。

一番のポイントはリビング側の壁を、造作テーブルの一部が貫通しているということ!

書斎のテーブルとリビングのTVボードを一体化させているのです。

書斎ではプリンターを置く場所に、リビングで使うテレビの配線やDVDプレイヤーの収納場所もあり、リビング側からも扉を開けてDVDプレイヤーを操作するができるというオリジナルな造作家具になっています。

そのほかのポイントは、

・収納のために、テーブル背面の下部にスペースを作りました。その上部は寝室側でサイドテーブルのようになっています。

・テーブル前の壁はマグネットが入っているので、紙を付けれたり壁面収納にも◎。

・寝室に付属している書斎なので、日中は人がおらず静か。リビングとは引き戸で仕切れるようになっており、生活音もシャットアウトできます。(引き戸は、開けた時には壁の中に引き込まれる形になるので邪魔になりません。)

プリンターやPCなどの書斎で使うものの配置だけでなく、お部屋全体の間取りを考えながら設計を進めていくので、使いやすいようにオリジナルの造作家具を作ることができます。

これも、既成の間取りや家具にとらわれない、リノベーションならでのワークスペースの作り方ですね。

↓個性的な造作家具が印象的なリノベーション事例【頑張らなくても散らからない住まい】

在宅ワークスペースの多様化

さらに最近ではワークスペースへのご要望も多様化してきました。

ご夫婦ともに在宅ワークなので2つのワークスペースがほしい、といったご要望をいただいたり、ON/OFFの切り替えができるように生活空間から離れたところにワークスペースがほしい、といったご要望をいただいたり。

一方では広々したリビングを重視してワークスペースをリビングの一角にもうけたい、というお客様もいらっしゃいます。

テレワークや在宅ワークが一般化したことによってさらに皆様の「暮らし探し」が深化していくのがみてとれます。

【リノベーション事例】ご夫婦それぞれのワークスペース

寝室から離れたところにしつらえた奥様のワークスペース
旦那さまのワークスペースは玄関脇。集中できるようにコンパクトに。

ご夫婦それぞれに個室のワークスペースを用意しています。夜遅くまでお仕事されることが多い奥様は寝室から離れた場所につくりました。お仕事に使う資料が沢山収納できるように壁の一部は天井までの本棚になっています。

旦那さまのワークスペースは玄関脇。奥様のワークスペースからもリビングからも遠い場所につくっています。仕事に集中できるようにコンパクトなスペースにしています。

【リノベーション事例】マンションでも「離れ」風のワークスペース

リビングからあえて遠い位置につくった「離れ」のワークスペース。毎朝玄関土間を通って、「出勤」する感覚で同じ家の中でもON/OFFを切替できます。

玄関土間と一体化したワークスペースには大好きなロードバイクも置けるので、趣味に没頭する個室としても使えそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

みなさんが理想とするワークスペースはありましたか?

一人ひとりの働き方が違うように、在宅ワークの在り方も人それぞれ。

自分の暮らし方に合った住まいで、お仕事も趣味も満喫できるように、リノベーションが解決してくれるかもしれません。

「お家でこんなふうに過ごしたい!」そんな気持ちをお持ちの方は、ぜひお話をお聞かせくださいね。


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