東京都葛飾区/マンション/ワンストップ
専有面積: | 71.6m2 |
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築年: | 2001年築 |
所在地: | 葛飾区 |
家族構成: | couple |
費用: | 1,179万円 |
Outline
Story
◎「ウチの中に出っぱっているものがないんです。」
「物がない!」ご夫婦にお引渡し後久々にみた住まいにびっくり。
広々、すっきりとしたキッチンとリビング。
「ウチの中に出っぱっているものがないんです。」と話すご主人。
「物のおさまりがよくなったからストレスがなく快適です。」と話す奥様。
このお部屋のキッチン。
よく見かける吊り戸の収納がついていない。
リビングも「棚」と呼べるものがどこにもない。
テレビのコードすら見えず床から生えているよう。
広々とした空間にソファーとダイニングテーブルがあるだけ。
でも実はこのお部屋、リノベーション前にみたときの第一印象は「物が多い」「梁が大きい」「圧迫感がある」というもの。
対面キッチンではあったものの、カウンター以外は壁でかこわれ、バルコニー側の窓の方をむいているから、「キッチンに立つとすぐ窓がある」といった印象でした。
リノベーションの打ち合わせは細かくて大変だったものの、「どこに何をしまうか」を設計担当と一緒に徹底して考えたことが見事に功を奏しています。
「リノベをすれば部屋の印象は全く変わる」ってことはわかっていたけどさすがにイメージするのは難しかった、と話すご主人。
設計担当が「スペースがたくさんあるので何でもできますよ」と言ってくれたのが心強かったとか。
◎キッチン「Ⅱ型」へのこだわり
キッチンは「Ⅱ型」と呼ばれるコンロとシンクが別々に2列に配置されたタイプを採用。
意外にも(笑)これはご主人のこだわり。
「キッチンを対面式にしたかったけど、コンロ側からリビングに油が散るのがイヤだった。油が散るのを防ぐためにガラスをいれたり壁をたてたりするのも開放感がなくなるし。」
「Ⅱ型」にすることでコンロの脇、シンクの脇、それぞれに作業スペースができたので、ご夫婦2人でキッチンに立っても窮屈にならない。
おまけにコンロ側、シンク側それぞれに収納があるから吊戸棚を設置する必要もない。
使い勝手重視で設けたパントリーとあわせて、すっきりと見えるのに実はかなり収納が充実。
視界がひらけたキッチンからの眺めは格別です。
◎レンガの壁の向こう側
そしてリビングの一角に不思議なレンガの壁。
よくみてください。
これって実は「壁紙」。
皆さん気づきましたか?
この壁紙の向こうには「ちょっとした勉強部屋」が。
カウンターに座ったらリビングからは見えないけど立ち上がるとリビングがみわたせます。
家で仕事をすることもあるご夫婦。
2人でPCを並べて腰かけられる「ちょっとした勉強部屋」。
あえて閉じた「個」の空間にはせず、リビングと一体だけどちょっと集中したい、そんな空間にしてみました。
この先子供ができたら、しっかり仕切って子供部屋にすることもできる。
そんな余地も残しています。
でもなぜ「レンガの壁紙」?
ここからがご夫婦の「冒険」のお話です。
◎「壁紙」の冒険
リビングのアクセントになっているのは青い壁紙。
この色を決めるため、数えきれないくらい壁紙のサンプルを見て、もらって、特に奥様はインスタグラムやルームクリップでいろいろな画像をみて検討しました。
「壁紙ってこんなにいろんな種類があるんだ」とみているうちに、「どの部屋も1か所くらい壁紙で遊んでみたい」なんて思うように。
「ちょっとした勉強部屋」の壁は当初木を貼って雰囲気を出す、なんて案もありましたが、コストとの兼ね合いもあってレンガの壁紙に。
こんな風にこのお住まいでは特徴的な壁紙が随所に使われています。
寝室にはカバがおっきな口をあけている壁紙。
「やんちゃしました」と語るトイレにはなんと、サルやイグアナがバナナの葉のまわりに集まっているジャングルの動物たち!!
「せっかくのリノベーション。無難にいっても面白くない。派手につくってみてもなんとか(設計担当に)まとめてもらえるし、やってみたいものは詰め込んだ方が楽しい」
そんな言葉通り、壁紙以外にも印象的な素材をたくさん使っています。
◎「シンプル」の中の「遊び」
住まい全体の印象を決めるリビングの床は「白っぽくしたくない」と赤っぽい色が印象的なあづみの松のフローリングを採用。
洗面台には水泡のような青くてまるいタイルに印象的な真っ赤な「金魚」。
「最初はシンプルにするつもりだった」という初志は活かしつつ、全体のシンプルな雰囲気の中にポイントポイントで面白い「遊び」が顔をだす、見せ場のたくさんある住まいに。
「ヘリンボーンに憧れてたんで寝室は塩ビタイルでヘリンボーン風の床にしてみました。」
「インダストリアル感をやってみたかったけどあんまり無機質にもしたくなかったから、キッチンの天井だけコンクリートむき出しにしてみました」
ご夫婦がやってみたかったこと、つめこみたかったことが次々と口をついてでてきます。
設計打ち合わせでは、「妻がはまりだして、(見つけてきた素材の)URLがたくさん貼られたメールが飛び交うようになってからだんだんついていけなくなった」と笑うご主人。
でもそんなご主人が雄弁に語るのはキッチンと玄関。
「土間をつくる、キッチンをⅡ型にする、この2つはこだわっていました」
「マンションの玄関入ってすぐの印象がイヤなんです。廊下が狭くて両側に扉があると圧迫感があって」
玄関脇に土間をつくる。
玄関からみえる寝室に室内窓をつける。
玄関の土間にはチープにみえないように本物のタイルをいれる。
お部屋に入ったときのシンプルで開放感のある印象をしっかりと決めてくれます。
◎「青」の土台
「いろいろ考えても最後は青を選ぶことが多かった」と語るお二人。
壁紙もタイルも、リノベをめぐる冒険のきっかけになったリビングの壁紙は「青」。
お気に入りの箇所にあげてもらったキッチンのタイルも「青」
しっかりとつくりこまれた玄関とリビングの「青」。
たくさん遊んで冒険してみたリノベ―ションですが、この2つのイメージが土台にあるからこそ散漫な印象にならずにしっかりとまとまっています。
「いろいろと遊んだリノベーションだったけど方向性でぶつかることはなかった」と語るお二人。
お二人が無意識にベースとして選んだイメージなのかもしれません。
「無茶ぶりしてもなんとかまとめてもらえるから、こんな素材や壁紙選んだら変になるかな、なんてあまり考えずに派手にいってみました」
「せっかくのリノベだから置きにいっても面白くない!」
ご夫婦そろって思い切って冒険することの大切さを口にします。
一方で「コンセントの位置や数が物の置場をきめるので本当に重要!」「打ち合わせをたくさんしていると疲れてしまうけど最後まで気持ちを切らさないようにするのが大変だった」とも語るお二人。
使う素材や間取りで沢山冒険しながらも、実際の暮らしを想像して「どこになにをしまうか」「この空間で何をするか」を考え抜いたからこそ生まれた空間。
開放感があってすっきりした印象なのに随所に遊び心が垣間見える楽しさにあふれています。
「リノベをめぐるスタイリッシュな冒険」を最後までやりぬいたからこそ完成した住まい。
お二人の人柄と仲の良さをそのままうつしだしているようです。
Price
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基礎工事
養生費、解体費、木工事、電気工事費、配管工事など
約464万円
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住宅設備機器
UB、キッチン、洗面、水栓、トイレなど
約300万円
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材料費
無垢フローリング(あづみの松)、扉、クロス、塗装、照明など
約268万円
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収納・造作工事
造作カウンター、可動棚、玄関土間タイル、モザイクタイル、ハンガーパイプ、有孔ボード、その他アクセサリーなど
約147万円
工事費総額(税込)
約1,179万円
※工事費は竣工時点の税込額となっています。