リノベーションで和室を快適空間に!<br>成功のためのポイントや注意点
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リノまま編集部

リノままは「大きな企業の中の小さな設計事務所」として設計・工事・不動産それぞれの専門知識をもった少数精鋭のチームでひとりひとりのお客様と向き合っています

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畳や障子のある和室は日本の伝統美を感じさせてくれますが、現代のライフスタイルに合わない場合もあるかもしれません。今回は和室を洋室にリノベーションする方法やメリット・デメリット・事例・成功のためのポイントも解説します。ぜひ、参考にしてください。

古き良き日本の伝統文化を感じさせる和室。しかし、近年ではライフスタイルの変化や家族構成の変化により、和室を有効活用できていないご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、リノベーションを行うことにより、和室を快適空間に生まれ変わらせることが可能です。今回は和室をリノベーションする方法やメリットやデメリット・おしゃれな和室のリノベーション事例・和室のリノベーションを成功させるポイントをご紹介します。失敗しないための注意点も含めて説明しますので、ぜひ、参考にしてみてください。

リノベーションで和室から洋室にするには?

和室から洋室へのリノベーションには、和室を寝室や書斎・ゲストルームにする等さまざまな方法があります。具体的な方法を参照するとイメージを膨らませることができるでしょう。以下では、和室から洋室にリノベーションするいくつかの方法をご紹介します。ぜひ、ご自身の暮らしに合うリノベーションプランの参考にしてください。

床を畳からフローリングにする

和室を洋室にリフォームする主な方法は、畳からフローリングに張り替えることです。床面のリフォーム方法は、畳をフローリングに張り替え、ワークスペース兼寝室として活用できる部屋にした例が挙げられます。また、リビングの一角の和室を取り払い、フローリング敷きの小上がりスペースに変える方法もあります。畳からフローリングに張り替える費用相場は6〜8畳で、およそ10万~40万円程度です。フローリングの素材によって価格が異なり、天然素材の無垢のフローリングの方が、複合フローリングよりも価格が高くなる傾向です。

壁や天井を洋室仕様にする

壁や天井を洋風のクロスに張り替え、洋室仕様にする方法もあります。例えば、和室の壁を隣接するリビングと同じ白いクロスに張り替え、空間的なつながりをもたらすことに成功した例が挙げられます。和室には珍しいブルーのクロスに張り替えることで、クールでモダンな雰囲気を演出できるでしょう。

クロス張り替えの費用相場は、6畳の部屋でおよそ3万円~5万円程です。壁をリフォームする際は、構造を変える工事が必要であるかどうかにより費用が大きく変わってきます。和室が柱をむき出しにしている真壁(しんかべ)の場合、洋室に適した柱が隠れている大壁(おおかべ)に変える工事を要します。マンションの場合は和室であっても、元々大壁の構造になっているケースが多いでしょう。

襖や障子を洋室仕様にする

和室の入口や収納に使われている襖や障子を洋室仕様に変えることも可能です。和室の入口の襖をナチュラルウッドの引き戸にして洋風テイストにリフォームする方法や障子を無塗装の木製のパインドアに変える方法等があります。襖や障子を洋室仕様にする場合は、襖や障子の枠をそのまま使用するかどうかにより費用に差が生じます。従来の襖の枠を活用する場合は数万円~10万円程度でリフォーム可能です。一方、枠組みを変える工事を行う際は、およそ12万円~15万円程の費用がかかるでしょう。

和室をリノベーションするメリット

和室をリノベーションすると以下のようなメリットがあります。

  • 和モダンなリノベーションでおしゃれな空間になる
  • メンテナンス費用が抑えられる
  • 高齢者のライフスタイルに合わせやすくなる

以下で具体的にお伝えするので、リノベーションを検討するヒントにしてください。

和モダンなリノベーションでおしゃれな空間になる

和室を洋室にリノベーションすると、和と洋の要素を融合させた意匠性のある空間になります。全面的に洋室にするのではなく、和のテイストを残しつつ洋風のテイストを巧みに取り入れることで、和モダンでおしゃれな空間になるでしょう。畳は重い家具を置くことが不向きなため、設置できる家具が限られます。しかし、強度の強いフローリングに張り替えることで、自由に家具が置けるためインテリアを楽しめる空間を手に入れることができます。和室から洋室へのリフォームは、デザイン性と機能性の高さを兼ね備えた部屋へのリノベーションを求める人のニーズに合うでしょう。

メンテナンスの費用が抑えられる

和室から洋室にすると、メンテナンス費用が抑えられます。例えば、畳に飲み物等をこぼすとシミになりやすく、ダニやカビが発生しやすいリスクがあります。フローリングにすれば、掃除が簡単なのでお手入れしやすくなるでしょう。フローリングは水拭きや掃除機も楽に行えるため、日常的なメンテナンスの負担が軽減できます。

高齢者のライフスタイルに合わせやすくなる

洋室は多様なライフスタイルに柔軟に対応しやすいでしょう。特に高齢化が進む現代は、和室から洋室へのリフォームが高く支持されています。和室では畳と布団の生活になり、立ち上がりや起き上がりが多いため高齢者には負担が大きいです。一方、洋室にリノベーションされていると、介護ベッド等が置きやすくて便利なため、体に負担がかかりにくいでしょう。和室より洋室の方が高齢者のライフスタイルに合わせやすくなります。

和室をリノベーションするデメリット

和室から洋室へのリノベーションは、さまざまなメリットがあると同時にデメリットも伴います。和室をリノベーションすると以下のようなデメリットが考えられます。

  • マンションでは下の階に音が響くことがある
  • フローリングの冷たさを感じることがある

以下では、各デメリットを具体的に解説し、解決策をご紹介します。

マンションでは下の階に音が響くことがある

マンションの2階以上に住んでいる場合は、床をフローリングに張り替えたことで下の階に生活音や足音が響いてしまうことがあります。畳に使われているイグサは、衝撃を吸収する性質や防音性を備えています。一方、フローリングにはイグサのような防音性や遮音性はないため、下の階に音が響かないよう注意しましょう。遮音・防音の低下で騒音トラブルにならないように、コルクシートや遮音シートを床に敷く等の十分な配慮が求められます。

フローリングの冷たさを感じることがある

畳に使われているイグサは、防音性と断熱性を備えた素材です。しかし、フローリングの場合は、足で直に触れると冷たさを感じてしまうこともあります。特に、冷え込みが激しい冬場は、フローリングの冷たさが堪えるという人も少なくありません。ラグやウレタンマットを敷き、フローリングの冷たさを軽減する等の工夫をすると良いでしょう。

和室リノベーションの成功のためのポイント

和室リノベーションを成功させるには、壁・照明・配色・収納の4つのポイントを意識するのが大切です。以下では、和室リノベーションの成功のために気をつけたいポイントを解説します。

壁に質感を出す

壁は部屋の面積の広い部分を占めているため、単調な印象だと部屋そのものが魅力的に見えづらくなります。リノベーションの際は壁に質感を出すことを意識して、クロスを選ぶようにしましょう。一般的なクロス紙ではなく、独特の表情を持つ塗り壁や調湿性の高いエコカラットを選択するとおしゃれな質感が表現できます。

間接照明を取り入れる

和室と洋室の構造上の違いとして挙げられるのが、段差の有無でしょう。洋室は全てがフラットな構造ですが、和室は真壁や床の間等の段差を取り入れた凹凸のある構造です。和のテイストを残した和モダンな空間にリノベーションする際は、凹凸を強調する間接照明を上手に取り入れましょう。床の間上部の垂れ壁や吊り押入れの下部等、僅かな隙間に間接照明を加えると、おしゃれでモダンな雰囲気になります。

配色は補色を意識する

和室をおしゃれな空間へリノベーションするには、配色にこだわることも大切です。補色を意識するとメリハリのあるおしゃれな空間に仕上がります。補色は反対色とも呼ばれ、色相環で正反対に位置する色を指します。例えば、赤の補色は青緑・青の補色は橙色です。部屋のメインカラーを決めてから、補色をアクセントカラーとして取り入れると空間にメリハリがつき美しい印象にまとまるでしょう。一方、全体的に落ち着いたテイストに統一したい場合は、同系色でまとめると良いでしょう。

収納は床から浮かせたフロートにする

収納を作る際はフローティング収納がおすすめです。フロート収納は、床から浮かせた収納のことでおしゃれなだけでなく、機能性も高くなるのが特徴です。空間が広く見え、床掃除する際も隅々まで行いやすくなるでしょう。フロート収納に間接照明を加えると、よりおしゃれな空間になり、また、枕元の明かりとしても活用できます。

リノベーションをした和室の事例をご紹介!

和室のリノベーションにはどのようなものがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、リノままが実際に手掛けた和室リノベーションの事例をご紹介します。リノベーションにより、和室は日常生活の中でより使いやすく、見た目にも美しい空間に生まれ変わります。

​​​​カフェのようなダイニングスペースに

コロナを機にご夫妻ともにフルリモートワークになったことやご夫妻で新しい事業を立ち上げたい思いもあり、心地よい暮らしと集中できるワークスペースを備えた理想の住まいづくりが始まりました。既存の和室をカフェのようなダイニングスペースにし、独立していたキッチンとつなげ、さらにダイニングと隣のワークスペースもつながるよう開口を最大限に広げています。キッチン・和室・リビングと分断されていた空間が全て繋がり、広々と開放的な空間を実現しました。

毎日が整う 朝活も楽しい住まい – リノまま(東京テアトル)

隣の和室と廊下を取り込んでリビングを拡張

お子さまの成長を見据えてより広い住まいへ住み替えるにあたり、自分たちの「好き」を選べるリノベーションを選ばれました。光と風が通るゆとりのあるスペースや無垢フローリング、漆喰、モールテックスなど様々な素材を楽しめるインテリアを目指しました。リビングは隣の和室と廊下を取り込んで拡張し、より開放感を感じられるLDKになっています。リビングの一角に、奥さまのためのワークスペースを設け、リビングで遊ぶお子さんを見守りながら、充分なスペースでお仕事もはかどります。

みんなが嬉しい 贅沢な1LDK – リノまま(東京テアトル)

和室のテイストを残したおしゃれリノベ

できる限りの予算の中で、物件探しと理想のリノベーションを目指した事例です。和室のテイストや既存のものを残しながら、新しい素材にうまく溶け込ませ、ご家族が心地よく暮らせる住まいへリノベーションしています。もちろん、デザインの面でも使えるものを上手く融合させたので、全く違和感のないインテリアに仕上がっています。

リノベ たし算ひき算 – リノまま(東京テアトル)

和室をリノベーションする際の注意点

和室へのリノベーションは、頻繁に行うものではありません。納得のできる仕上がりにするために、注意点をしっかり押さえた上で慎重に計画を進めるようにしてください。

和室をリノベーションする際は、以下の点に注意しましょう。

  • 和室をリノベする目的を明確にする
  • マンションの場合は防音・遮音性に注意する
  • 隣接する部屋との相性に気をつける

以下で注意点を具体的に解説します。

和室をリノベする目的を明確にする

和室をリノベーションする際は、どのような目的で行うか明確にしておきましょう。リノベーションを行う際は、建具や色等、さまざまな選択が必要になります。リノベーションの目的が明確化していると、イメージしやすく目的に合わせた選択もしやすくなるため、リノベーション案を具体的に進めやすくなるでしょう。個人の部屋や家族がくつろぐ共有スペース等、使用するシーンに合わせて和室のリノベーションを検討してください。

マンションの場合は防音・遮音性に注意する

マンションにお住まいの場合は、防音と遮音性の配慮が重要です。前述したように和室の畳と洋室のフローリングでは、防音性や遮音性に大きく差が生じます。階下に住む人との間でトラブルになってしまう可能性もあるため、慎重にリフォームを進めることが大切です。遮音シート等を敷き、音が響かないよう階下に住む方への配慮を行いましょう。

床と遮音性の関係は下記の記事も参考にしてください。

隣接する部屋との相性に気をつける

和室のリノベーションを行う際は、隣接する部屋との相性を考慮しましょう。リノベーションを行う部屋のことだけを考え、おしゃれな部屋にこだわりすぎるとリノベーションした部屋だけ浮いてしまうこともあるので注意してください。和室と隣接するリビングやダイニングと一体感を出せるように、床を同じフローリング仕上げにする等の工夫をすれば、家全体がおしゃれな雰囲気にまとまります。

和室のリノベーションならリノままにお任せください

和室のリノベーションなら、リノままにお任せください。リノままでは、物件探しから工事まで全て自社完結で、少数精鋭のチームで連携しながらリノベーションを進めています。

リノベーションに長く携わってきた経験を生かして、プロならではの視点から将来的に必要になることを見据えたプランを提案いたします。「和室を子ども部屋にしたい」「和室で介護を行いたい」等、さまざまなニーズにお答えできるプランを実現できるようなご提案をいたしますので、ぜひお問い合わせください。

まとめ

和室から洋室のリノベーションを行うと、和モダンでおしゃれな空間が実現できるだけでなく、多様なライフスタイルに柔軟に対応しやすくなります。壁に質感を出す・補色を意識する等のポイントを押さえてリノベーションを進めると、満足度の高いおしゃれな仕上がりになるでしょう。和室から洋室へのリノベーションでよく用いられる畳からフローリングに張り替える方法は、メンテナンスがしやすいメリットがある一方で、遮音性や断熱性が損なわれるデメリットもあるため、慎重にリノベーションを進めることが重要です。リノままでは、中古マンション購入からリノベーションまで、ワンストップでお手伝いさせていただきます。ぜひ、皆様の選択肢の1つにリノままを加えていただけると幸いです。