ARTICLE快適に暮らす工夫 ① ~風通しの大切さ~

- 公開日:2019.11.15
- 更新日:2022.12.14
高気密なマンションでは暖房効率が高かったたり、隙間が少ないなどのメリットがある反面、
より気を使わなくてはならない部分があります。
それは「換気」です。
「換気」が大切なのは室内の湿気を排出することや、新鮮な空気を入れるためです。
リノままのリノベーションでは湿気対策や換気対策もいろいろ考えています。
実は今現在の新築のマンションでも換気不足による結露やシックハウスなどになるおそれがあるのです。
目次
1.湿気の問題と、その対策

湿気があると夏場などには体感温度も上がり「寝苦しい」など不快な思いをします。
また、結露の原因にもなり、湿気がこもるとカビが生える原因ともなります。
(良く中古マンションでも押入の中や、冷蔵庫の裏などカビが生えている現場を目にします)
カビが生えると、それを餌にダニが繁殖します。
ダニの死がいは室内に舞い上がると、およそ2.4mの天井の場合、床に落ちるまで24時間かかるとも言われています。
これはぜんそくなど引き起こすアレルゲンと言われています。
皆様がご存じのように、マンションの構造は鉄筋コンクリートでできています。
そもそもコンクリートは水・セメント・骨材が硬化してできるもので、
新築当初はコンクリート中の水分が完全に乾燥していない状態と言われています。
(完全に気乾するのには数年から20年くらいかかるともいわれています)
よってただでさえ湿気が高くなりがちなマンションでは風通しを良くするために、
風が抜けるプランや、開口部、換気扇などの対策が重要になってきます。
2.風を通す為の工夫例
マンションではバルコニー側と共用廊下側に窓があるのが一般的ですが、
間には廊下や間仕切り壁があり、一般的な間取りではまず風通しが良くありません。
しかも廊下の先の玄関ドアも開けっ放しにすることもできません。
この問題を解消する工夫のひとつに「室内窓」があります。
見た目もオシャレですが、ちゃんと換気するために開けることができるのが魅力です。
しかも光まで取り込み明るい空間にしてくれます。
プライベードな空間でなければコストを抑えて「間仕切壁の上をあける」、
「窓ではないが開口を設ける」、「建具をつけない」、「ランマをつける」などいろいろあります。



いずれも風通しだけでなく、解放感も明るさも取り入れる工夫です。
3.換気扇を上手に利用する

自然の風通しだけでなく、機械に頼ることも大事です。
寒い冬などは到底窓を開けることもできません。
マンションでは浴室や脱衣室、トイレなどに換気扇がついています。
また、キッチンのレンジフードもあります。
現在は2003年7月に施行されたシックハウス法により24時間換気が義務付けされていますが、
ちゃんと換気ができる状態にしていないとそれも意味を成しません。
居室部分の空気を2時間に1回入れ替えるというのがこのシックハウス法の主旨ですので、
効率良く換気するためにはできるだけお風呂や脱衣室のドアも使わないときは開けておく!ということです。
キッチンのレンジフードは弱でも音がするので換気を止めてしまうことも多いと思いますが、
最近は機種によって静かな常時換気スイッチのついたレンジフードも出てきています。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
デザインなどの設計はもちろんですが、快適性を保つための工夫も考えるのが私たち建築士の役目です。
プランニングや機器の選定のアドバイスなどもそういった視点で考えています。
掃除機をかけると汚れた排気が出るし、
ガスファンヒーターのように室内空気を燃焼し室内に排出する器具を使う場合も、換気への注意が必要になります。
カビが生えないように、家具や冷蔵庫も壁から離して置くというのも工夫のひとつです。
きれいで快適な暮らしを送るためにもぜひ「風通し」・「換気」を意識してみてはいかがでしょうか?
5.室内窓の特徴的な事例
「caffice」

「好きを満喫」

「フレキシブル」

「猫の隠れ家」
