快適に暮らす工夫 ~収納編1~「散らかってる部屋」って実はリノベアイデアの宝庫!?


>リノベーション事例「わたしのシンプルライフ」|リノまま

Instagram、RoomClip、いろいろな会社の施工事例…。

インターネットを少し検索しただけで綺麗で片付いたお部屋が沢山出てきますよね。

「みんなこんな素敵な部屋に住んでいるんだ!」なんて羨ましくなり、そこからリノベーションに興味を持った方も多いかと思います。

 

でも、日々の生活に追われていると、「折角リノベーションをしたのにお部屋がゴチャゴチャ…」なんて事にも。

実際にリノままで工事されたお客様からも、「荷物がいっぱいで家がゴチャゴチャなんです…」と言う声を聞いたりもします。

 

その原因は至ってシンプル。

持ち物に対して収納が足りていないのです。

 

家づくりではあまり目立たず日陰の存在になりがちな「収納」ですが、実は「素敵なお部屋」の影の立役者。

設計初期の段階からしっかり考えておけば、憧れの綺麗で片付いたお部屋に近づけるかも!!

 

今日は家が散かりがちなあなたに向けて収納づくりのコツを数回に分けてお届けします。

第1回目はとても大切な現状の把握。

「今」のお家の収納の「量」と「質」を知るためのお話です。

 


目次

1 お家の「荷物の量」を知ろう!

2 今のお家の「収納量」を知ろう

3 造り付け以外の物の量も知ろう

4 今現在の収納出来ていないものを知ろう


 

1. お家の「荷物の量」を知ろう!


>リノベーション事例「ふたりだけの景色」|リノまま

最初に行っていただきたい事は、お家の荷物の量を知る事。

「なんでそんな事が必要なの?リノベーションしてある程度収納を造ればなんとかなるよ!」

なんて思う方もいるかもしれません。

 

でも、これって危険!!

「ある程度」といったフワッとした言葉が示す量などは人によって千差万別。

ご夫婦、ご家族内でも少なからず違いがあるはずですし、勿論設計者とも違っているはずです。

こんな感覚的な量のままで突き進んでしまうと、結果、収納が足りなくなる事があるのです。

 

今住んでいる家は、云わば自分の家族の生活実態の縮図。

「お家の荷物」は「きっちり片付けられているもの」と「どこかに散らかっているもの」の2通りしかありません。

「片付けられている量」と「散らかっている量」を大雑把に調べることでおよその「荷物の量」がわかります。

 

まずはお家をざっと見渡してみましょう。

・玄関の床に雑然と置かれたカバン
・廊下を占領するコートハンガーに無理やり家族全員の上着をかけ
・ソファの上にはたたむ前の洗濯物
・テーブルの上には郵送物や子供のお便りの束
etc…

「うわ散らかっている!」イヤになったりあわてて片付けしたくなったりする前に一旦冷静に。

 

今のおうちで「どこに」「何が」散らかっているか、これらは大切な「情報」です。

折角ある情報を上手く活用しましょう!

これを無視して理想だけを追求してしまうと、せっかくの新しいおうちでもまた同じことをくりかえしてしまいます。

 

この大切な「情報」の活かし方は後でお話しますので、一旦そのままにしておいて、まずは「きっちり片付いているもの」の量から調べてみましょう。

 

2. 今のお家の「収納量」を知ろう

早速、お家の造り付けの収納の測り方から。

例えばこの収納(クローゼット)

よくあるクローゼットだと思います。

 

これを「自分」を基準に簡単に数値化してみようと思います。

数値化は簡単です。

◎横幅
両手を広げた時の幅に近い=1
自分の中心線から片手を広げた時の幅に近い大きさ=0.5

◎高さ
背の高さに近い=1
背の高さの半分に近い(腰より上/腰より下)=0.5
背の高さの1.5倍に近い=1.5

◎奥行
三つ折りの布団が入りそう、服が横並び(服の腕側が正面に来る)で掛けられそう=深い
ファイルや本くらいしか入らない=浅い

 

よって先ほどの収納(クローゼット)は

横幅: 0.5 高さ:1.5 奥行:左 浅い/右 深い
になります。

 

この収納(押入)だと

横幅: 1 高さ:1.5 奥行:深い

 

この収納(上吊収納)だと

横幅:0.5 高さ:(0.5より小さそう…)0.25 奥行:浅い

 

なんとなくわかってきましたか?(数値が無いものは応用して下さいね。)

「あれ?」っと思う部分もあるかとは思いますがその辺りはそこまでシビアにならなくても大丈夫です。

あくまでも現状の収納量を大雑把に把握するものなので軽い気持ちでやってみて下さい。

 

これらをまとめて、「どんなものが入っているか」「どのくらい入っているか」も書き出してみて下さい。

また、思うことがあれば「メモ」欄も作り何でも書いておきましょう!

この様に家の収納量に対して、荷物の品目と荷物の量を全部書き出してみる事で、わかりやすく現状を把握出来るようになると思います。

 

3. 造り付け以外の物の量も知ろう


>リノベーション事例「北欧と暮らす」|リノまま

作り付けの収納以外にも置き家具は何を持っているかを把握することも大事な作業の一つです。

例えばカラーボックス。

これらは捨てる予定でも、リノベーション後のお部屋に中身の収納先が無ければ、また家具を買って、物が増えて…と悪循環になってしまいます。

面倒な作業かもしれませんが、是非今のお部屋に置いてある家具の大きさも測って書き出してみて下さい。

 

測るのが大変でしたら、「何処に何が何個あるか」「大きいか・中ぐらいか・小さいか(感覚的で一先ずOK)」「どんなものが入っているか」「どのくらい入っているか」「メモ(思うこと)」なんかを書き出してもらえると、設計者は皆さんに寄り添い易くなります。

 

ここまで細かく調べられなくてもどっちみち新しい家で使う家具の大きさは設計途中にお聞きすることになります。

食器棚の大きさだったり、ダイニングテーブルの大きさだったり…。

早いうちに書き出しておくのも悪くないですよ!

 

次に家電。

こちらも大きさ、メーカー・品番を書き出してみて下さい。

冷蔵庫や掃除機等は生活スタイルによって意外と持っているものの大きさにバラつきがあります。

間取りを決める段階でも重要になってきますので、頑張って測って書き出してみてくださいね!

もちろん買い替え予定の方も「新しいおうちではこれを使いたい!」っていうのを書き出してみてください。

 

家電を測るのが大変だな…と思った方には裏技が!

家電の品番部分を写真に撮って渡してもらうだけでも構いません。

例えばこんな感じで。↓

この努力が綺麗で片付いたお部屋に近づくコツ。

一緒に頑張りましょう!

 

4. 今現在の収納出来ていないものを知ろう


>リノベーション事例「リミックス・リノベ」|リノまま

最後のポイントは、日々の生活で出しっぱなしになっているものを書き出す事。

さっき、ついつい片付けたくなるのを「グッと」我慢したものたちです。

実は、「散らかってしまう」のには必ず理由があります。

「日々出しっぱなしになっているもの」は「今のおうちに片づける場所が無い」か「今のおうちの収納場所が片付けにくいところにある」と言う事なのです。

 

最初に書いたこちら、

・玄関の床に雑然と置かれたカバン
・廊下を占領するコートハンガーに無理やり家族全員の上着をかけ
・ソファの上にはたたむ前の洗濯物
・テーブルの上には郵送物や子供のお便りの束

無意識においていますが、実は帰る場所が無かったり、収納が困難だったり…と原因が必ずあります。

一応、表にまとめるとこんなところでしょうか。

こういった内容を書き出してもらえると、

・玄関の床に雑然と置かれたカバン
→玄関にカバン収納の棚が必要そうだな!

・廊下を占領するコートハンガーに無理やり家族全員の上着をかけ
→玄関近くに家族全員のコートを掛けて収納するスペースが必要そうだな!

・ソファの上にはたたむ前の洗濯物
→見た目もカッコ良い室内干しハンガーをつけて洗濯物の一時仮置きスペースを造ろう!
WICも家事導線近くに配置した方が良さそうだな!

・テーブルの上には郵送物や子供のお便りの束
→ダイニングテーブルの近くに収納が必要そうだな!

など、まだ自分自身では深くは考えていなかったけど、実は快適に暮らすために必要なものを設計者が拾いだしていきます。

だからこそ今のおうちは「生活実態の縮図」なんですね。

 

さて、自分の荷物の量と質、わかってきましたか??

なかなか大変な作業ですよね。

でも、どれだけ見た目が素敵なお部屋を造っても、収納量が足りなければ部屋はごちゃごちゃしてしまい満足のいく暮らしは出来ません。

逆に、しっかり収納量を確保すれば、意外と皆が憧れる散らからない素敵な部屋のまま日常を過ごせる様になるかもしれません。

この努力が後にリノベーションされたお部屋の綺麗を保つ秘訣につながります。

 

まだ新しい家が決まっていなくても、何処の会社にお願いするか決まっていなくても、「今のおうちの荷物の量を知ること」そんな下準備は今からでもできるはず。

お家のリノベーションを考えているみなさん。

ぜひ挑戦してみてくださいね。

 


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