中古戸建て探し 建物や土地のサイズ感を知る
- 公開日:2022.1.14
- 更新日:2023.10.20
いよいよ中古戸建てを探してみよう!と思った時に分かりづらいのが「建物」や「土地」のサイズ感。
一戸建てはマンションと違って、複雑なので物件探しは建築士のいるリノベーション会社など建築のプロにお願いすることをおススメしますが、
自分でも探したい!相談する前に相場感をチェックしたい!という方向けにサイズ感の目安をここでお伝えします!
中古戸建て探しでは物件検索が難しい
中古戸建てを探そうとして試しにSUUMOなどのポータルサイトで物件情報を検索しようとしたとき、手が止まってしまった方も多いのでは?
戸建の検索では、築年数や駅距離の他に「土地面積」と「建物面積」の条件を入力して物件を探すことになります。
「マンションの専有面積なら70㎡や80㎡でもイメージしやすいけど、一戸建ては階段や廊下などのスペースもあるから同じ70㎡や80㎡だと狭いし、どれくらいの広さが必要なのかなぁ。」
という方も多いことでしょう。
例えば、ネットで検索するとこんな感じの図面が。
ご覧頂くと、
「建物の図面は掲載されているけど、部屋の広さも分からないし、1Fと2Fの大きさも分からない。土地の形状も書いてないし、駐車場があるのかどうかもわからない」
なんてことに気づくと思います。
中古戸建てを探そうとしても、そもそも自分たちの暮らしのために必要な「広さ」がわからないとイメージできません。
まず、どのくらいのサイズの建物、土地を探せばよいか自分達の求めている「サイズ感」を確認していきましょう。
戸建てでよくみる広さの単位「㎡」「帖(畳)」「坪」
マンションでは㎡表記は多いですが、一戸建ての場合は「〇畳」や「〇坪」という表記が出てきます。
ここで簡単に広さの単位について知っておきましょう。
「帖(畳)」「坪」とは
簡単な目安は畳1枚の広さが1畳。
もちろん畳のサイズは厳密には地域により様々なのであくまでも目安になります。
ここでは概算で、
1帖(畳)=約1.6562㎡=0.5坪
1坪=2帖=約3.31㎡
という風に考えておいてください。
例えば80㎡の場合は坪に換算すると、80㎡÷3.31≒24.16坪というふうになりますね。
戸建ての標準的な建物のサイズ
一戸建ての場合には平屋や、2階建て、3階建てなどもありますが、ここでは一般的な2階建ての建物を探す前提でご説明いたします。
ここで、仮に下のような2階建ての建物を参考に挙げてみます。
1F:52.99㎡
2F:40.16㎡
合計延床面積:93.15㎡(28.17坪)
仮に、夫婦+子供1人の3人家族を想定した場合でこの建物に対して広さを考えてみます。
人によりお部屋の数や、広さの希望などは異なるため、この建物を基準として、狭いと思えば希望の広さを足したり、コンパクトで良ければ引いたりすればおのずとサイズが見えてくるはずです。
まずは1階について考えてみよう。
<1Fの面積の基本サイズ>
・玄関、ホール 3帖
・玄関収納 1帖
・廊下 2.5帖
・階段 2帖
・トイレ 1帖
・洗面室 2帖
・お風呂 2帖
・キッチン 5帖
・リビングダイニング 12帖
・物入等 1.5帖
ここまでで合計は32帖 。
これを1Fの基本サイズと考えます。
次に2階について考えてみよう。
<2Fの面積の基本サイズ>
・階段 2帖
・トイレ 1帖
・廊下 2.5帖
・洋室 6帖
・寝室 7帖
・WIC 3帖
・収納 2.75帖
2Fの合計は24.25帖 。
これを2Fの基本サイズと考えます。
最後に自分の希望のサイズに補正しよう
この基本サイズにあなたの要望を加えたり、引いたりしてみてください。
例えば、
・1Fに和室が4.5帖欲しい→+4.5帖
・LDは12帖だと狭いから14帖欲しい→+2帖
・2FのWICはコンパクトに2帖でいいなら→ー1帖
といった具合です。
そうすると、
1F⇒32帖+4.5帖+2帖=38.5帖(63.5㎡)
2F⇒24.25帖―1帖=23.25帖(38.36㎡)
これで1F+2F=101.86㎡
という風に目安ができました!
このように目安ができると「建物面積100㎡強の物件がほしい」といった具合に条件がみえてくるのです。
マンションとの比較で考えると、
・階段のスペースを考慮する必要がある。(1階、2階ともに2帖ずつ、合計4帖分)
・玄関、お風呂、トイレが広くなる
・収納スペースが多くなる
(マンションでは居住スペース全体に対して8%程度が目安、戸建てでは12%程度が目安)
の3点からやや広めのスペースが必要、ということになります。
戸建ての建物面積70㎡のお住まいは70㎡のマンションよりもずっと狭く感じられる、ということです。
戸建ての土地のサイズ
土地のサイズを決める際に大事なポイントは、建物を建てるスペース以外に、駐車場スペースやお庭のスペースをどのくらいとるかという点です。
まずは建物の建つスペースが、1F面積より、63.5㎡・・・①
例えば駐車場スペースが1台分なら、
3m×6m=18㎡・・・②
お庭が8帖分くらい欲しいなら、
8帖×1.65=13.2㎡・・・③
その他、道路からのアプローチスペース、駐輪スペースとして、
2m×4m=8㎡・・・④
最後に建物廻りには隣地境界との離隔距離が必要です。
大体目安は15~25㎡なので、
間をとって20㎡・・・⑤
そうすると、
①+②+③+④+⑤=122.7㎡
となり、全ての合計で、122.7㎡(37.06坪)くらいの土地が必要なことが分かります。
※ちなみに駐車場はいらないなら②は除く、お庭不要なら③は除くなどして考えてくださいね。
これで、中古戸建てを探すときに、建物が101.86㎡(30.7坪)以上、土地が122.7㎡(37.06坪)以上という目安ができました。
とりあえずこの条件で検索すれば、リノベーションに必要な広さの物件が絞れそうですね。
まとめ
こんな風に一戸建ての場合は『建物の広さ、土地の広さ』を知ることで物件探しもよりスムーズにすることができるのです。
もちろん、『あくまで目安』ということを忘れないでください!
例えば、建物に駐車場が組み込まれているビルトインガレージなら土地はもう少し小さくても良いかもしれません。
また、2Fにリビングにしたいなどのリノベーションも可能ですので、1F・2Fのお部屋の割り振りについてはここではあまり気にしなくても大丈夫。
あくまで建物全体の広さの目安にして頂ければOKです。
次回は土地の『敷地の形状や向き』についてです。
ちょっと難しそうな内容ですが、大切なことをお伝え致します。
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