中古マンションのリノベーションで失敗しないためのポイントとは

中古マンションを買って、リノベーションはもはやお住まい購入の定番になってきました。
新築よりもリーズナブル、注文住宅なみに自由度が高い、なんて言われていますがどうでしょう?実は進め方を間違えてしまうとこうしたメリットも台無しになってしまいます。失敗しないポイントをまとめてみました。

高原太郎

[著者]

高原太郎

宅地建物取引士。映画館勤務を経てリノベーションへ。リノままの一員として多くのお客様の住まいづくりに関わる。

著者の詳しいプロフィール

1 中古マンション購入+リノベーションが人気の理由

1-1 新築よりもリーズナブル

なんと60㎡で7,746万円!!23区内で新築マンションを買おうとするとこれだけのお金が必要です。(※2022年8月時点で東京23区の新築マンションの平均㎡単価は129.1万円 不動産経済研究所レポートより)

一方で中古マンションは6,138万円(※2022年が8月時点で東京23区の中古マンションの平均㎡単価は102.3万円 東日本レインズのレポートより筆者が作成)

中古マンションが高騰している、という話はよくでてきますし、実際に昨年度をみても前年より10%近く値上がりしています。それでも新築と中古では1600万円ほどの金額の開きがあります。

ちなみにこの「中古マンション」の平均築年数は21.9年。キッチンやお風呂、トイレ、洗面、給湯器といった設備も老朽化が進んでいて、遅かれ早かれ交換しないと…といった時期にあたります。従って、「新築よりも1600万円安い!」といっても「中古マンションを購入してそのまま住む」というのは難しい物件が多いことでしょう。

そこで「中古マンション購入+リノベーション」です。

60㎡の物件でのリノベーションを考えたとき、大まかに考えると以下のような金額ができることの目安になります。

・リノベ費1200万円~ 水回り設備・間取り・内装を全て一新するスケルトンリノベ
・リノベ費 800万円~   水回り設備を全て一新+一部間取りの変更、床・壁をきれいに
・リノベ費 500万円~  水回り設備を全て一新+気になるところのワンポイントリノベ

いかがでしょう?

「中古マンション購入+リノベーション」にすると物件の状態やお客様それぞれのこだわりに応じて「どこまでリノベーションするか」も自由に選ぶことができます。

新築よりもリーズナブルに理想の住まいが手に入る可能性も大きいのです。

さすがに東京23区だと物件が高すぎるかもしれませんが、少しだけ郊外に目をやれば3000万円程度で中古マンションとはいえ、オートロック付きの築20年前後の物件が沢山あります。

状態のよい物件を選んだら、思い通りにリノベーションしても物件3000万円+リノベ1200万円+物件購入諸経費300万円と合計4500万円、総額にして5000万円かけずに自由度の高い住まいが手に入るのです。

1-2 注文住宅のような自由度の高さ

リノベーションの手段は大きく分けて二つ。「フルリノベーション」と「部分リノベーション」です。

お住まい全体の工事をおこなう「フルリノベーション」では間取り変更はもちろん、こだわりや好きを詰め込んだ住まいをつくれます。写真にあるように、マンションのひと区画を躯体のみ、要は「コンクリートの箱」だけの状態にしてゼロからお住まいを作り直します。

この「一部制限はあるものの」という点が曲者ですが、物件探しの段階で「リノベーションでどうしてもやりたいこと」が明確になっていれば、リノベーションのことをしっかり理解している「物件探し+リノベーション」のワンストップサービスの会社といっしょに物件をみてまわることで不安は解消します。

そのため注文住宅のような自由度の高い住まいを手に入れられるのです。

リノベーション事例【高さで繋ぐ】

1-3 資産価値もアップ?

マンションの内装を一新する「フルリノベーション」の相場は㎡あたり税込16万円~22万円程度。そうすると60㎡のマンションでは1000万円以上のリノベーション費用をかけることもよくあります。

大きなリノベーション費用をかけたら資産価値はあがる?気になるポイントです。誤解をおそれずにお伝えしておくと、「リノベーション費用をかけたからといって資産価値があがるとは限らない」ということになります。

リノベーションをする以上は「自分たちにとって暮らしやすい」住まいをつくることになります。時には60㎡の広大なワンルームにしてみたり、リビングにロフトをつくってみたり、逆に小さな部屋を沢山つくってみたり、素材にこだわって無垢のフローリングにしてみたり。

もしリノベーションした住まいを売却しようとすると、それらのこだわりが「高く売れる」方に作用することもあれば、「なかなか売れない」「値引きしないと売れない」方に作用することもあります。万人受けする住まいになっているわけではない分、同じ価値観をもった方が買い手としてあらわれるかどうかに左右されます。

従って、「リノベーションしたからといって資産価値があがるとは限らない」のです。

でも少し安心できる条件があります。

下記は2021年の首都圏の中古マンションが築年数ごとにどんな価格で販売されたか、を示した表とグラフです。物件それぞれの広さが異なるので1㎡あたりの単価におきかえて、マンションの取引価格に築年数がどんな影響を与えるか、をまとめています。

当然ながら築年数が古くなると物件はどんどん安くなっていきます。でも築26年超の物件になると、ほとんど価格の下落がとまっていることがわかります。

つまり築年数26~30年あたりの物件を購入してリノベーションすれば、「リノベーションした分の資産価値はあがるとは限らないけれど、物件そのものの資産価値はあまり下がらない」ということになります。逆に新築を購入すると築31年を超えることには70%近く資産価値が下落してしまいます。

中古マンションを買ってリノベーションするのであれば、築年数20年を超えるような物件を購入する方が多いことでしょう。そのため、物件を上手に選べば、数字上では新築よりも「中古マンション購入+リノベーション」の方が資産価値をキープしやすくなるかもしれません。

1-4 購入・リノベーション費用のローンがまとめられる

ここまで述べてきたように、「中古マンション購入+リノベーション」では1000万円以上のリノベーション費用をかけることも多いですし、仮に水回り設備を一新するだけでも300万円程度は費用をみておく必要があります。

このリノベーション費用のお金をどうやって調達するか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?

今でも意外と一般的にはなっていませんが、多くの金融機関で「リフォーム一体型住宅ローン」の取り扱いがあります。物件の購入価格分だけでなく、1000万円を超えるようなリノベーション費用についてもまとめて低金利な住宅ローンで借りることが可能です。

また、いわゆる「リフォームローン」といった無担保のローンでも以前とは大きく異なり、1%台の金利で借りられる商品もでてきています。

なので「物件価格3000万円+リノベ費1200万円」といった予算で考えている方は単純に「4200万円の物件を買う」のと同様に「4200万円を住宅ローンで借りる」といった資金計画をたてることができるのです。

リノまま【知る・調べる】「リノベーション一体型ローン」ってなに?実はこんなメリットがある!利用するために気を付けるべきこととは?

2 中古マンションリノベーションのデメリットとは

ここまでみてくると「中古マンション購入+リノベーション」がよいことばかりのように見えてしまいますが、そんなことはありません。メリットがあれば必ずデメリットもあります。

2-1 老朽化によるトラブルが発生する場合も

「中古マンション購入+リノベーション」で狙い目になるのは築25年を超えるような物件です。それだけ古いものなので当然のようにリスクはあります。

マンション全体の管理の状態がよくないと建物自体も老朽化します。給水管や排水管がいたんでいると漏水事故が増えてしまいますし、建物の構造である躯体が傷んでいることもあります。

これらの建物全体の老朽化に関わる問題は個別に対応できるものではありません。いくら室内をリノベーションできれいにしても、建物全体の管理が行き届いていない物件は長く快適に暮らしていくのには不向きです。

2-2 工事期間が長い

リノベーションには意外と時間がかかります。小さな規模でも間取変更など図面をつくりこんでおこなう工事では最低2ヶ月程度の設計期間は必要です。設計が終わってからの工事も規模にもよりますが2~3ヶ月は必要です。

特にマンションでは住民の方のために騒音などを考慮して、土日祝の工事はできないところがほとんどなので、どうしても工期が長くなってしまいます。

フルリノベーションをおこなうのであれば、設計と工事であわせて6か月~7か月の期間がかかってきます。

物件を買ったらすぐに住めるわけではないので注意が必要です。物件の購入条件にもよりますが、最低でも工事期間の3ヶ月程度は今のお家賃と新しいお住まいの住宅ローンの両方を支払う期間がでてくることは頭にいれておきましょう。

2-3 希望のリノベーションが必ずできるわけではない

前述した通り、リノベーションでは建物の構造によってできること、できないことがあります。また、マンションによっては管理組合の定めたルールによって禁止されているころもあります。

特に注意が必要なのはキッチンやトイレ、お風呂・洗面といった水回り設備の移動についてです。排水や排気のルートを確保しようとすると、構造上希望の配置ができない、といったケースや移動はできるものの室内に大きな段差ができてしまう、といったケースがあります。

古いマンションの場合は管理組合のルールに要注意です。床をフローリングに変更するのを禁止しているマンションや水回り設備の移動を禁止しているマンションなどがまれにあります。

こういった内容は一般的な不動産会社ではそれほど詳しくはありません。リノベーションにあたって「どうしてもやりたいこと」を最初から明確にしておくこと、リノベーションのことがわかるパートナーにその希望を伝えて必ず一緒に物件をみにいくことで「こんな筈じゃなかった」となってしまうのを防ぎましょう。

3 失敗しないリノベーションは中古マンション物件選びが重要

デメリットのところで見てきた通り、「中古マンション購入+リノベーション」で失敗しないためには

・管理状態のよいマンションを選ぶ
・希望のリノベーション内容ができるマンションを選ぶ
・設計や工事にかかる期間を含め、新居への入居までに時間的な余裕をもって進める

という3点が重要です。

この中で最初の2つは「物件選び」に関するもの。「物件選びを制する者が「中古マンション購入+リノベーション」を成功させる」といっても過言ではありません。

そこでひとつだけ勘違いしないでほしいのは「物件選びは「誰からみてもよい物件」を探すことではない」ということです。

安くて立地がよくて管理状態がよくて陽当たりもよくてリノベーションで何でもできて…なんて「満点」の物件はこの世にひとつもありません。

それでもみなさんそれぞれ「どうしても譲れない条件」がきっとあります。家族のコミュニケーションのために陽当たりがよく広いリビングがほしい、実家の近くに住みたい、よくいく映画館の近くに住みたい…そんな「条件」はきっと「こんな暮らしがしたい」という想いからうまれたもので、人それぞれバラバラです。

「どうしても譲れない条件」をつきつめてその条件を満たすものをしっかりと探す、これが「物件選び」のコツです。

「どうしても譲れない条件」を満たしてくれるような管理状態なのか、「どうしても譲れない条件」を満たしてくれるようなリノベーション工事ができるのか、はリノベーションのワンストップサービスをおこなっている会社と一緒に動けば教えてもらえます。

でもあなた自身にとって「どうしても譲れない条件」が何なのか、だけはみなさんが自分自身で見つけ出すしかないのです。

リノままでは「暮らし探し」と名付けてそんな条件の絞り込みをお客様と一緒にすすめています。なかなか時間と手間がかかるものではありますが、実はそんな「暮らし探し」をしっかりしておく方が「物件選び」も「リノベーション」もうまくいくための近道です。

4 中古マンション物件を選ぶチェックポイント

自分たちの暮らしに重要な要素、「譲れない条件」が決まったら、いよいよ実際に物件選びをはじめることになります。ここでは物件選びで注意しておきたいチェックポイントをあげていきます。

4-1 築年数

リノベーション前提で中古マンションを購入するのであれば、「物件価格の下落がとまりつつある」という点では築25年以上の物件がおすすめです。

とはいえ、住まいを単に「割安」という視点だけで選ぶのは危険です。日々の暮らしに関わる「ルール」や「設備」といった点からは以下のようなことが言えます。

犬や猫などペットを飼いたい!といった方は2000年以降完工の築20年前後より新しいマンションから選ばないとなかなか条件にあうものはみつかりません。国土交通省が2018年に行った「マンション総合調査」によると2000年以降完工のマンションでは約85%が「ルールを守れば飼育可」となっているのに対し、1999年以前完工のマンションでは約61%が「ペット飼育禁止」となっているからです。

オートロックのついたマンションに住みたい!といった方もオートロックが本格的に普及しはじめた2000年前後以降の完工物件、築25年前後あたりまでで選んでいくとよいでしょう。

さらに安いからといってあまり古いマンションにすると建物の老朽化に伴う建替の問題がでてきます。せっかくマンションを買ってリノベーションしてもすぐに建て替えになってしまってはかないません。現在、マンションの建替はあまり頻繁にはおこなわれていません。2022年10月の東京カンテイのレポートによると日本全国累計でみても280例程度です。

しかし、その半数以上が東京都に集中しており、2014年の調査と2022年の調査の間では東京だけで60例弱の建て替えがおこなわれています。東京の一等地だから建替え後も資産価値や広さが維持できる、といった要因が考えられます。

なので、利便性の高い築古のマンションをみつけたときには建替えには注意が必要なのです。

このように「築年数」という要素はそれだけでは物件選びの基準にはなりえませんが、「物件価格」や「暮らし方」、「建て替え=これから何年住めるか」といった要素に関わってくるので、重要なファクターになります。

4-2 耐震基準

単に「築年数」だけを考えるのではなく、「新耐震基準」か「旧耐震基準」か、となるとそれだけで物件選びの基準になります。

正確には「1981年6月以降に建築確認をうけて工事に入って建てられた建物」がいわゆる「新耐震基準」の建物で、「震度6強、震度7程度の地震でも倒壊しない」とされています。

※上記より古い物件でも耐震診断の結果や耐震補強工事を実施することで「耐震基準適合証明」を取得できる状態になれば「新耐震基準」同等とみなされます。

当然ながら古くて安い物件は「旧耐震基準」であることが多く、中央線沿線や東横線沿線とった人気エリアで物件を探すと予算内におさまる物件が「旧耐震基準」の物件ばかり、といったケースも多々あります。

地震への対応に不安があって古いけど安くてお得な「旧耐震基準」、地震への対応ができているけど高い「新耐震物件」というだけのように受け取られがちですが、実はそれだけではありません。

国交省は政策的に「新耐震基準」に適合した建物を増やしていこうとしているので、住宅ローン減税や不動産取得時の登録免許税などの税金の減免、その他助成金などの殆どが「新耐震基準」の建物を対象にしています。

ただ、不動産の登記情報などではあくまで建物の完成した年月の表記しかなく、建築確認をいつの段階で取得しているかがわかりづらいということもあるため、簡易的に「1982年以降に完成した建物」を「新耐震基準」とみなしてこれらの優遇措置がうけられるようになっています。

この「耐震基準」は単に税金や助成金だけでなく、「住宅ローンを有利に借りられるか」にも大きく影響してきます。国の施策と呼応するように金融機関によっては「旧耐震基準」の物件への住宅ローンの審査を厳しくする、金利を高くする、あるいは融資そのものをおこなわない、とった対応をすることがあります。特に完工が1982年から遡ることさらに10年、1972年より前のいわゆる「旧旧耐震」とよばれる物件についてはローンを借りること自体が難しくなるケースもあります。

従って、「新耐震基準」を満たした物件の中から選んでいくかどうか、はそもそもの資金計画にもかかわる重要なポイントになります。

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4-3 リフォーム前物件かリフォーム済み物件か

物件選びをはじめると、世の中には数多くの「リフォーム済み物件」が流通していることに気づく方も多いでしょう。

売主の方が数年前に水回りの設備を入れ替えました、といったものから、リノベーション業者が売主で室内をスケルトンリノベーションして販売しています、といったもの、何年か前に「中古マンション購入+リノベーション」で作りこんだんだけど転勤で売ることになりました、といったものまで様々です。

当然ですが「リノベーション済み物件」ではリノベーションに要した費用が一部加算された上で物件価格が設定されています。せっかくリノベーションしてあるものをわざわざ壊してリノベーションしなおすとなるとどうしても費用は割高になります。

「リノベーション済み物件」では既にリノベーションしてあるものをどれだけ活用できそうか、それらを壊して割高になったとしてもそれでも本当に欲しい物件か、といった視点で検討する必要があります。

4-4 適正価格

いざ購入しようとしている物件が適正価格かどうか、は誰もが気になることでしょう。

少し冷たい言い方をすると、不動産は全く同じものはこの世にひとつしかないものなので、いくら高くても実際に売れた価格が「適正価格」になっていきます。

たとえ相場が3000万円のエリアにある物件が5000万円で販売されていたとしても、売主さまが「5000万円でしか売らない!」という意志が変わらなければ値引きはしてもらえませんし、そういった相場とかけ離れた金額でも他に「買いたい!」という方があらわれてしまうと、あなたが買うことはできません。

ただ、ここで「相場」といった通り、同じマンションの他のお部屋が過去にいくらで取引されたか、近隣の不動産の取引額が上がる傾向にあるか下がる傾向にあるか、といった情報をもとに相場に基づく査定価格を算出することは可能です。

実際に購入を検討している物件が相場よりも高いか安いかは様々ですが、相場をもとに「少し相場より高いけれどもどうしても欲しい物件」なのか、「相場まで値引きしてもらえないなら他を探した方がよい物件」なのかを判断するのはとても重要です。

自分だけの「譲れない条件」をみたした理想の物件であれば、相場より少し高くてもあなたにとっての「適正価格」なのですから。

4-5 共用部の管理状況

マンションの内見はお部屋に入る前からはじまっています。管理の状況や管理状況と密接にかかわる住民の様子などはエントランスを入る前、外観をみるところからわかることも沢山あります。

・建物の床・壁・天井などにクラック(ひび割れ)が入っていないか
・マンション内に実際に人が住んでいない空き家がたくさんないか
/集合ポストでチラシ等があふれているポストがあるか
・マンションの掲示板に住民同士のもめ事を示唆するような不穏な内容のものはない
・清掃がいきとどいているか/掲示物はきれいに貼られているか
・共用通路に私物を出して通行の邪魔になっているようなところはないか
・ゴミ置場は整理整頓されているか
・自転車置き場に自転車はきれいにならんでいるか、などなど

日常の管理状況や住民の方の様子をうかがうための材料は無数にあるのです。

こういった実際に現地で見たこと、感じたことは書面上で調査することよりもマンションの実態を示していることも多々あります。なにせ実際に購入したら毎日何度もいききするのが共用部です。そこに住んでいる気持ちになってみて回る、少しでも気になることがあったら一緒に同行しているリノベーション会社や不動産会社の人に尋ねてみるのがおすすめです。

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4-6 修繕計画や積立金の状況

マンションの建物全体に対して適切な修繕がほどこされているかどうか、というのは管理状況を見ていく中でも極めて重要です。

同じ築50年のマンションでもしっかり修繕がなされているマンションと、そうでないマンションでは大きな差が出ます。よく「ヴィンテージマンション」などと言われて人気があるマンションは築年数が古くてもしっかり管理され修繕も計画的に実施されているため、古い建物ながらも不快感がなくむしろ威厳や上品さを醸しているからです。

そんな風に「良い年のとり方」ができるマンションは必ずしっかりとした「長期修繕計画」があります。12年程度に一度実施される大規模修繕で屋上や外壁といった外観をしっかりメンテナンスしているかどうか、30年~40年経つと必要になってくる設備の更新や給水管・排水管などの更新にしっかり対応している/対応の準備ができているかどうか、などをみておくと安心です。

もちろん「長期修繕計画」はあくまで「計画」でしかありません。残念なことに、「計画」だけはつくったけれど放置していて実行していない、というマンションもまれにあります。

5年に1回程度以上の頻度でマンションの実態に即して計画を見直しているかどうか、「長期修繕計画」の資金計画と実際の修繕積立金の残高に大きな差異がないか、などもあわせてみておくと計画が「絵にかいた餅」になっていないかどうかも推測できます。

また修繕積立金の積み立て状況と長期修繕計画の資金計画を見比べると、この先修繕積立金がどのくらい不足しそうか、どのくらいの値上げを覚悟しておく必要があるか、なども予想できます。

マンションを購入するとローンの返済以外にも毎月管理費や修繕積立金の支払いが2~3万円程度は発生します。その中でも修繕積立金に関しては殆どのマンションで築年数の経過に応じて値上がりしていきます。

管理の状況の中でも修繕の実施状況については建物の維持管理が適正になされているかだけでなく住み始めてからの月々の支払い額にも影響するポイントです。重要ではあるものの、長期修繕計画の分析を自分たちだけで対応しようとすると無理があることも多いので、リノベーションのワンストップサービスの会社など信頼できるパートナーをみつけて一緒に進めるようにしましょう。

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4-7 理想のリノベーションが可能か

希望するリノベーションができるかできないか、はマンションの建物全体の構造やルールによってかわってきます。

マンションの建物の構造は大きくは「壁構造」と「ラーメン構造」に分けられます。「ラーメン構造」の建物は柱と梁で建物の構造を支えているため、間仕切り壁についてはほぼ自由に壊すことができるので間取の自由度は高くなります。一方で5階以下の団地などに多い「壁構造」では耐力壁とよばれる壁が建物の構造をささえています。そのため、「壊せない壁」があり、思うような間取変更ができない場合があります。

またマンションではどのお部屋にもキッチンやお風呂、トイレといった水回りがあります。これらの水回り設備の給水や排水のために、建物の中には背骨のようにパイプスペースとよばれる給水や排水の通る管が通っています。パイプスペース自体はマンション全体のものなのでリノベーションで位置を動かすことはできません。またキッチン、お風呂、トイレ、洗面といった水回り設備の位置を動かそうとするとき、パイプスペースへの繋ぎこみがうまくできないような場所には移動できませんし、移動する場所によっては床が他の場所より一段あがってしまう、といった可能性もでてくるので要注意です。

他にもキッチンの換気扇の排気がどのようなルートで建物の外にでているか、によってキッチンの移動できる範囲が限られていたり、ダウンスラブといって建物の構造であるコンクリートの床がへこんでいる部分があるためにお風呂を移動できる範囲が限られてしまったり、と建物の構造について注意が必要なポイントは多々あります。

ルールの点ではマンションによっては他の住戸へ音がひびくことを懸念して床の遮音性能を厳しく制限していたり、場合によってはフローリングの使用をみとめていなかったり、というケースもあります。水回り設備の移動についても認めていないマンションもまれにあります。

どんな建物であってもリノベーションにあたって全く制約がない建物は存在しません。物件選びで重要なのは「自分がやりたいリノベーション」が自由にできる物件を選ぶ、ということです。

そのためには「どうしても譲れない条件」をしっかり自分自身で決めておくことと、これらの「希望のリノベーションができるかどうか」を見極められるようなパートナーと一緒に物件選びをおこなうことが必須です。

5 物件選びから依頼できる「ワンストップリノベーション」

なかなか魅力的な「中古マンション購入+リノベーション」。でも物件を探し始める前から「どうしても譲れない条件」を考えるためには不動産のこともリノベーションのことも考えないといけません。

実際に物件選びをする段階になると、「長く暮らせるマンションか」といった管理状況の分分析や「希望のリノベーションが本当にできるのか」といった建築面での検証も必要です。

購入の段階になると「物件」と「リノベーション」の住宅ローンをまとめようとすると「リフォーム一体型住宅ローン」の進め方に慣れていないと不安です。

いかがでしょう?不動産会社やリノベーション会社、住宅ローンの金融機関など、それぞれにばらばらに依頼しながら進めていくのは難しそうではないですか?

リノまま含め一部の会社が提供している「ワンストップリノベーション」のサービスでは物件選びの段階から一緒に探したり検討したりできてリノベーションの工事の完了やアフターサービスまで並走してもらうことができます。

とても便利なサービスではあるのですが注意が必要です。

「ワンストップリノベーション」となると不動産のこと、ローンのこと、リノベーションのこと、全ての専門知識が必要です。ワンストップサービスを提供している会社でも会社によっては外部の提携会社を活用しているというケースもあれば、自社で対応しているものの苦手分野があるというケースもあります。

また「ワンストップリノベーション」は物件を購入して設計・工事と一気にすすめていくとスムーズに進められる、というサービスです。そのため物件探しの段階からリノベーションの準備をしていたり、物件購入契約前の段階で仮のリノベーション用の見積もりをつくってローンの事前審査を進めたり、といった形でどんどん連携しながら次の工程を先取りして進めていきます。

そのため、物件の購入がおわってリノベプランの打ち合わせの段階で「やっぱりイメージが違う」「リノベーション会社を変えたい」と感じて途中で別の会社に変更しようとすると住宅ローンの審査をやりなおすことになったり、会社によっては一部支払ったお金がかえってこなくなったり、といったケースがあります。

物件探しをはじめる前の段階で、「ワンストップリノベーション」の会社を比較して、リノベーションのデザインのイメージはあいそうか、どこが得意な会社なのか、自社以外と連携するのはどんな場面か、自分との相性はよさそうか、どんな場合に費用が発生するか、などをチェックしてからパートナーを選ぶようにしましょう。

6 リノままでどんなリノベーションができる?

もちろん私たちリノままも「中古マンション購入+リノベーション」のワンストップサービスをおこなっています。実際にリノままで物件探しから一緒につくっていった事例をみてみましょう。

6-1 予算700万円

例)68.59㎡ 664万円 「愛猫と気ままな暮らし」

リノベーション済みマンションの購入+部分リノベーションの事例。リビングを充実させることに特化して、キッチンをお気に入りのものに交換、洋室一部屋をつぶしてリビングを広くする、広くしたリビングにはキャットウォークにもなる造り付けの棚や収納にもなるベンチを設置、とったアイデアをつめこんでいます。

床材などは元々のものと同じものを使用。お風呂やトイレ、洋室はそのままリノベせずアクセントクロスで少し変えるだけ、といった工夫でこだわりたいポイントに特化しながらもリノベ費を節約しています。

6-2 予算1,000万円

例)75.48㎡ 936万円 「リノベたし算ひき算」

work92 リノベ たし算ひき算

当初はフルリノベーションを考えていたお客様ですが、住環境を重視した結果、選んだのは広くて少し予算オーバーのマンションでした。

そのため床や壁の下地や扉などの建具も含め、利用できそうな箇所を既存利用しています。クローゼットをウォークスルーにしたり、和室との間の引き戸を大胆に取替えたりしたことで、内装全てが変わったようにみえますが、間仕切り壁の変更箇所などは最小限におさえています。

わずかな違いでもプランを工夫することで大きく住まいが変わる、という事例です

6-3 予算1,500万円

例)70.41㎡ 1424万円 「心も身体も整う住まい」

work80 心も身体も整う住まい

こちらはスケルトンリノベーションで見えないところも全て一新した事例です。ナチュラルな素材を使ったデザイン、ご夫婦それぞれの専用ワークスペースを備えた間取、将来お子様ができたときに子供部屋がつくれるような準備、など、盛りだくさんのご要望を全て実現しています。

7 こだわりのリノベーションなら「リノまま」へ

リノままでは物件探しをはじめる前の「暮らし探し」と「無理のない資金計画」」をとても大切にしています。最初にしっかりコンセプトを固めることでその後の「物件選び」も「リノベーションプランの検討」もスムーズに進められるからです。

リノままは物件探しも設計も工事も自社完結・少数精鋭のチームでいつも密に連携しながらリノベーションを進めています。だからこそ、お客様のご予算にあわせてうまくリノベーション内容をご提案したり、物件探しのエリアを大胆に変更するアイデアをご提案したり、といったことができるのです。

ただ、少数精鋭のチームなので一度に多くのお客様とご一緒させていただくことができません。そんな私たちと一緒に物件探しやリノベーションをしたい、という方はぜひお早目にご相談ください。

8 まとめ

新築マンションが高すぎる昨今、「中古マンション購入+リノベーション」は手の届くご予算の中で自分たちの暮らしにあったお住まいを手に入れる方法として人気を博しています。

でも、実際に進めようとすると物件選びもリノベーションも資金計画も「不動産」「住宅ローン」「建築」と多岐にわたって専門知識が必要になるので、時間もかかるし困難も伴います。

ワンストップサービスを提供している会社は沢山あります。まずは気になる会社のWebサイトをみたり、実際に話をきいてみたりする中で、信頼できるパートナーを見つけることから始めるのが何よりも大切です。

そんな皆さんの選択肢のひとつにリノままも加えていただけると嬉しいです。お待ちしております。