ARTICLE物件を見るとき必携!リノベのプロがこっそり教える寸法豆知識 <平面編 その2>

- 公開日:2020.10.23
- 更新日:2022.10.27
さあ物件を見に行こう、内見だからしっかりチェックしなきゃ!とはいえ、内見のときは今住んでいる方の家具や荷物が沢山おいてあったり、逆に何もないガランとしたお部屋だったり、なかなか「広さ」のイメージがつかめません。
リノベーションのプロは内見にいくときにさまざまなポイントを見ているもの。
その中であなた自身も今からすぐ使える「寸法」の豆知識をこっそりお知らせします。
「理想の暮らし」は「寸法」によって「現実の毎日」にぐっと近づきます!
※この記事は、【物件を見るとき必携!リノベのプロがこっそり教える寸法豆知識 <平面編 その1>】の続きです。
○【物件を見るとき必携!リノベのプロがこっそり教える寸法豆知識 <平面編 その1>】
寸法の基本、リビングダイニング、キッチン編についてご紹介。
・図面の「寸法」は全てミリ単位!まずは慣れよう!
・要注意!「キッチン」は錯覚の宝庫!
・ダイニングテーブルは椅子を引くスペースを忘れずに!
目次
リノベーション前提で物件をご覧になるお客様から「寝室はシンプルにして狭くてもよい」「寝室のスペースをおさえてLDKを広々としたい」なんてご要望もよくききます。
そんなとき、一般的なベッドの大きさが頭に入っているとイメージしやすいです。
シングルベッドは幅1000mm×長さ2000mm~2100mm、ダブルベッドは幅1400mm×長さ2000mm~2100mmです。
「長さ」の方は寝るところの長さだけで2000mm程度ですが、頭のところに板なんかがついたタイプのベッドだともう少し大きくなって2100mm弱くらいになります。
もちろんキングサイズなどさらに大きなサイズの場合はこれらを目安に考えればOKです。
あとは寝室にベッドを置く、あるいは布団をしくとして、その他、通路がどのくらいほしいか、ナイトテーブルなんかをどのくらい置きたいか、なんかを考えると必要な広さはイメージできます。
そうすると、内見のときに、「この部屋の広さはここまででいいから、今の壁をもっと手前に動かしてその分リビングを広くしよう」なんてイメージが少しわきます。
「この辺をウォークインクローゼットにしたい!」よくご案内のときにお客様からそんな声をききます。
よくあるのは、「それだけだとスペースが足りない、もっとスペースを使いますよ」というケース。
ウォークインクローゼットはその名の通り「ウォークイン」で「歩いて入れるクローゼット」!歩いて入るための「通路」のスペースを忘れがちなので要注意です。
「人ひとりが正面を向いてギリギリ歩けるくらいの通路」の幅は600mm程度。
キッチンの通路のように人がすれ違うことまでは考慮しないのが通常です。
続いてクローゼットの大きさですが、男性の服を収納するためには600mm程度、女性の服を収納するためには550mm程度の奥行が必要になります。
すると、
クローゼット分550~600mm+通路600mm+クローゼット分550~600mm=1800mm程度
どうでしょう?
通路があって両側に服をかけられるウォークインクローゼットには約1.8mのスペースがほしいところ。
思ったよりも場所をとりませんか?
最後にお風呂の話。リノベーションでも多くの方がユニットバスをいれています。
よく不動産会社とかメーカーのショールームの方とお風呂の話をすると「いちにーいちろく」とか「いちよんいちはち」とか聞きなれない言葉が飛び交っていませんか?
これはユニットバスのサイズのこと。
「1216」とか「1418」とか4つの数字を並べてサイズをあらわしています。
例えば「1418」の「14」はユニットバスの下図の縦方向のサイズが140cm、「18」は横方向のサイズが180cmということです。
マンションの場合は戸建よりもユニットバスのサイズは少し小さ目で「1216」「1317」「1418」といったサイズのものが一般的です。
古いマンションだと「1116」といったさらに小さなサイズを使っていることもあります。
「足をのばしてゆったりお風呂に入りたい」そんな方はこの「12」「13」「14」といった数字にご注目!
「12」は湯舟の縦方向のサイズが120cm、「13」は130cm、「14」は140cmということなので、いわゆる「湯舟の広さ」に直結します。
「たかが10cmの違いでしょ!」なんて侮ることなかれ!
実際に浸かってみると「広い!」とか「窮屈かな!」とかかなり反応は分かれます。
マンションによっては構造上の問題や他のスペースとのかねあいでお風呂のサイズを大きくできないケースや大きくできても他の間取りに問題がでてきてしまう、といったケースが多々あります。
お風呂の大きさ自体は普段あまり意識したことはないかもしれませんが、「自分たちにとって最低限どのくらいのサイズがほしいか」は早めに考えておいた方がよいポイントです。
メーカー各社のショールームにいくといろいろなお風呂が飾ってあります。
靴をぬいで実際に中に入ることもできます。
もちろんお湯はためてないので、服はきたままですが、広さの感覚はつかめます。
ショールームでは大きなサイズの商品が目立つところにたくさんありますが、それらよりも「12」「13」「14」といった実際に自分たちが使う可能性が高いサイズのものを探し出して実際に入ってみるのをおすすめしています。
同じ「13」サイズでもメーカーによって、商品によって広く感じられるものもあるかもしれませんので。
物件をみにいくとどうしてもキッチンとかリビングに目を奪われがち。
特にリノベーション前提だと、「キッチンをこのあたりにしたい」「ここの壁を壊して全部リビングにしたい」なんて話で盛り上がります。
ついついお風呂、洗面、トイレといった場所はさらっと見て終わりたくなりますが、どれも毎日使う場所。
これからの暮らしを楽しくするために感覚を研ぎ澄ませてみましょう。
こうやっていろいろな「寸法」の話をしながら物件をみると、リノベーション後の姿が少しイメージしやすくなります。
「理想の暮らし」は「寸法」によって「現実」に近づいていきます。
だけども要注意!
ここであげた「寸法」はあくまで「一般的」なもの。
新しい住まいでは「絶対このキングサイズのベッドを置きたい!」とか、「ダイニングテーブルにあこがれのブランドのものを使いたい!」とか、先に「置きたい家具」が決まっているのであれば、同行するリノベーション会社の担当に先に伝えておきましょう。
そんな家具を主役にしたときにしっかりスペースがとれるかどうかも一緒にみてもらえます。
もちろんあなた自身の憧れの「暮らし」のために「どうしても使いたい!」というものに限定しておくのが理想です。
物件探しを始める前に沢山考えたとおり、予算も時間も限りがありますので。
「あれも、これも」ってなって迷子になってしまうのも、目の錯覚に踊らされて「こんなはずじゃなかった」ってなるのも避けたいですもんね。
<本日の寸法情報のおさらい>
◎通路の幅
・ウォークインクローゼットの入り口など人が正面を向いて通るギリギリの幅:600mm
・マンションの廊下 850~900mmくらい
・キッチンの後ろ側 最小700mmだと狭い!一人で使う前提で800mm(すれ違えるのであればもっと広めに)
◎間仕切り壁の厚さ 70mm
◎ベッドの大きさ
・シングル 幅1000mm×奥2000mm
・ダブル 幅1400mm×奥2000mm
◎冷蔵庫の大きさ(設置位置) 奥700mm~800mm
◎洗濯機置場の大きさ
幅640mm×奥600mm
(ドラム式なら幅740mm×奥600mm)
◎ソファーの大きさ
・1人掛け:幅900mm×奥900mm
・2人掛け:幅1700mm×奥900mm
◎ダイニングテーブルの大きさ
・4人掛け:最小で幅1200mm/一般的には1350mm以上×奥800mm
・6人掛け:幅1800mm×奥800mm
・ダイニングテーブルの椅子も含めた必要スペース(椅子をひいて座る):+750mmスペース必要
◎デスク
幅900mm×奥600mm
◎テレビ台
最小で幅1000mm~通常は幅1500mm程度以上×奥400mm
◎キャビネット 例
・幅1200mm×奥600mm
・幅900mm×奥600mm
などなど。
「高さ」についてはまたの機会に!
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