物件の「値引き交渉」ってどうやるの?「両手仲介」って何?

物件の「値引き交渉」ってどうやるの?「両手仲介」って何?

2020.9.3


>リノベーション事例|リノまま

いい物件が見つかった。

でもちょっと高い。

─── 値引き交渉ってできるのかな?

 

そんなことを思うのが人の常。

でも「値引き交渉」にはリスクがある!

不動産取引の3つの原則をおさえておきましょう!

 


目次

1 不動産の取引は登場人物が多くて複雑!まずはシンプルに3つの原則をおさえよう!

2 交渉の基本は「相手の気持ちになって考える」

3 交渉の鍵を握る「売主側仲介会社」と「両手仲介」

4 見えない競争相手!同じ物件を狙っているライバルにも要注意!

5 「値引き交渉」にはリスクがある!

 


 

1. 不動産の取引は登場人物が多くて複雑!まずはシンプルに3つの原則をおさえよう!


>リノベーション事例|リノまま

ネットで「中古マンション値引き」や「中古マンション値引き交渉」などと検索してみるとよく「値引き交渉」のポイントとしてあげられているのは、下記のようなポイント。

・売主が不動産会社か個人かによる値引き交渉の違い
・売主の事情、物件の状況(壊れてたり、汚かったりしないか)による値引き交渉
・値引き交渉を依頼する営業マンを本気にさせるコツ
・値引き交渉の前提となる適正価格を知る方法

実際のところ、中古マンションを購入するときの値引き交渉ってどうなのでしょう?

これらのポイントを押さえるのは「テクニックとしては」正解です。

ただ実際の取引の場面では売主様、売主側仲介会社、買主様、買主側仲介会社、さらに同じ物件を狙っている他の買主様とその買主側仲介会社といった多くの方の思惑や事情などが、複雑に絡み合ってきます。

ここを読んでいる皆様は「買主様」として取引に参加する方々でしょう。

複雑に見えるものほどシンプルに考えた方がよいです。

上にあげたような細かなテクニックは一旦全て忘れてしまいましょう。

 

物件を買う際の仕組みにまつわる単純な「大原則」だけを頭にいれておきましょう。

覚えるのは以下の3つ。

①売主様が「あなたに売ります!」と言ってくれない限り「絶対に」物件は買えません!

②多くの場合、売主様には「売主側仲介会社」がついているので、あくまで「売主側仲介業者」を通して交渉することになります。
直接売主様と話ができるわけではありません!

③「この物件ほしい!」って手を挙げる方はあなただけではない(かもしれません)!
同じ物件を狙っている見えないライバルと競争することになります。

従って、どんなに相場よりも「高い」価格がついた物件でも、売主様が「私は絶対この価格でないと売らない!」と言っている以上はいくら「相場とかけはなれていますよ!」と伝えたところで意味がありません。

 

そもそも「不動産」には同じものは一つとしてありません。

いくら「相場」を調べてみてもそれはあくまで「目安」でしかないのです。

「高すぎる」物件は、何らかの事情で「どうしてもそこを買いたい」お客様が現れれば売れるかもしれませんし、もしそんなお客様が現れなければ売れ残っていって、売主様が「なかなか売れない」という事実を受け入れてはじめて値引き交渉に応じてくれるかもしれません。

逆に売れ残ってしまっても、なんらかの事情によって「どうしても値引きできない」事情が売主様にはあるかもしれません。

 

2. 交渉の基本は「相手の気持ちになって考える」


>リノベーション事例「caffice」|リノまま

値引き交渉にかかわらず全ての交渉事の基本は「相手の気持ちになって考える」ことにつきます。

不動産を買う!って時には売主様、売主側仲介会社、同じ物件を狙っている他の買主様、なんかが「相手」ですね。

それぞれがどんな事情を抱えているか、特になにか困っていることはないか、を情報収集しておくことが重要です。

この情報は「時間(時期)」「手間」「お金」にまつわるものがいいですね。

例えば売主様に関しては以下のようなもの。

・「いつまでに」物件が売れて現金になっていないと困る、といった事情があるか。
例えば、この物件の売却資金を使って●月に新居を購入する、等

・物件の売却の契約を結んでも、売主様は「いつまでは」引渡しを待ってほしいといった事情があるか。
例えば、新居が今建設中で完成する●月までは今の物件に住んでいたい、等

・物件は「●万円以上で」売れてくれないと困る、といった事情があるか。
例えば、この物件には●万円の住宅ローンの支払いが残っていて、最低でもその金額以上で売りたい、等

・物件の売買にあたって「手間がかけられない」といった事情があるか。
例えば、売主様が遠方に住んでいるため、現地で対応するような手続きはできるだけやりたくない、等

どの物件も様々な事情があります。

「値引き」という形で「お金」を求めるのであれば、そのかわりに、売主様に「時間」や「手間がなくなること」を提供する、といった交渉になります。

売主様の事情をみきわめながら、「長い時間」が必要な売主様には「長い時間」を、「手間をかけたくない」売主様には「手間がなくなること」を、「早くお金がほしい」売主様には「早くお金を渡すこと」を提案しながら値引きをお願いする、といった感じですね。

 

3. 交渉の鍵を握る「売主側仲介会社」と「両手仲介」


>リノベーション事例「メンテナンスしやすい家」|リノまま

先の項目では「売主様の気持ちになって考える」ということをやってみましたが、最初に大原則であげた通り、皆さんは殆どの場合、売主様と直接お話することはできません。

それは私たちのように「買主側仲介会社」の立場であっても同じです。

「売主様の意思」が重要なものの、その売主様と唯一直接話ができるのは「売主側仲介会社」。

値引き交渉の主導権はこの「売主側仲介会社」が握っています。

 

彼らはどんな気持ちで動いているのでしょうか?

売主側仲介会社とその営業マンはまず、売主様とコンタクトをとって、売主様から「この物件を○○万円で売ってほしい」という形の媒介契約を結んで、物件を預かります。そこから先は以下のような気持ちで売却活動を行っています。

1. 買主様も自社で探すことで売主、買主両方から仲介手数料を受領できるいわゆる「両手仲介」にしたい。
つまり、1回の取引きで仲介手数料が2倍発生するということになり、この形で交渉を決められれば彼らは一番収益があがります。

2. 但し、買主様を探すには広告宣伝費(ネット広告、折込チラシ、ポスティング広告など)が必要になり、さらに買主様の候補となるお客様を物件にご案内するため、労力がかかる。できる限りこの宣伝費と労力をなるべく少なくしたい。

3. 1. と並行して確実に売主からの仲介手数料(片手仲介)だけは獲得すべく他社からの買主様の紹介を集める。
なぜなら、買主を他社に探してもらえば広告宣伝費や労力をかけないで売主様からの仲介手数料だけは受領できる。

4. 売主様との契約期間(通常3ヶ月)で売買が成立しなかった場合には、売主様に売却価格ダウンの了解を得て再度1. からの仲介手数料獲得ルーティンを実行しなければならない。

4 の時点では売主側仲介会社は売主様から「最初の提案通りに売ってくれなかったから、別の会社に頼みたい」といわれて契約を切られてしまう可能性があります。

契約を切られてしまうと売主側仲介会社にとってはこの物件からは何も収益があげられない、ということになって、1~3で行ってきた活動は全てゼロになってしまいます。

従って売主とは常に良好な関係を築いていなければならないのです。

 

売主側仲介会社にとっては、当然ながら売り上げ=仲介手数料を獲得できるか否かが重要です。

物件を見に来たからといって買うか買わない分からない購入のお客様を追うよりは、売却する意思表示をして媒介契約を締結して物件を預けてくれている売却のお客様を大切にするという思考になるのはやむを得ないことでしょう。

そもそも売主様から「契約を打ち切ります」と言われてしまえば全てがゼロになってしまいますので。

従って売主様側の代理人的立ち位置が優先である売主側仲介会社は、売主様の利益とならない値引き交渉には原則消極的となります。

これが1であげた「両手仲介」の場合の「利益相反」の問題につながります。

 

売主側仲介会社が買主様もみつけて、売主様からも買主様からも仲介手数料をもらいたい!というのが「両手仲介」ですが、この場合は「安く買いたい」買主様と、「高く売りたい」売主様の利益が相反します。

そんなとき、どうしても売主側仲介会社は売主様よりの立ち位置になってしまいやすくなります。

 

※SUUMOやHome’sなんかでみつけた物件に直接問い合わせするとこの「両手仲介」になってしまうことが多いので要注意!
>リノベ百科「間違いだらけの物件探し!2つの落とし穴」|リノまま

 

さて、どうでしょう?

売主側仲介会社の気持ちになって考えると、まず1の「両手仲介」を狙っている段階での値引き交渉は私たちが買主側仲介会社として交渉させていただいていたとしてもなかなか難しいものです。

特に、絶えず「内見したい!」というお客様が沢山いらっしゃるような状況だと、「値引きするくらいなら他のお客様に売ります!」と言われてしまいますので、値引き交渉にあたっては売主様が求めるお金以外の条件を多く用意しておく必要がありますし、値引きの幅もそれほど強気では交渉できません。

逆に3や4で「そろそろ値段を下げようかな」とか「このままだと売主様から契約を切られてしまうので、両手仲介をあきらめてでもどうにかして早く売りたい」なんてタイミングだと比較的交渉がしやすくなります。

 

また、買主側仲介会社はあくまで「会社」である、ということもヒントになります。

彼らもノルマがあるので、「今月の目標に届かせたい」「期末までにもう1件契約をしたい」といったタイミングであれば、私たちが先方の希望する「時期」に契約や代金の支払いのタイミングをあわせてあげることで交渉がしやすくなることもあります。

 

4. 見えない競争相手!同じ物件を狙っているライバルにも要注意!


>リノベーション事例「団地のなかの小学校」|リノまま

最後に同じ物件を狙っているライバルのことを考えておきましょう。

別の記事でも書きましたが、人気エリアの駅近物件などを探そうとすると、物件探しは「戦争」です。

たとえ、そこまで人気の物件でなくとも、必ず「競争相手はいる」と思っていてください。

でも、そんな競争相手の姿は見えませんし、どんな方かもわかりません。

でも想像することはできます。

同じ物件を狙っているライバル、ということはその物件を買おうとしているあなた自身と同じようなことを考えている可能性が高いです。

例えば、以下のようなこと、いつも思っていませんか?

・少しでも安く物件を買いたい、値引きできないかな?
・今手持ちのお金があまりないから、物件買う時の手付金は少な目にしておきたいな
・住宅ローン、本当に組めるかな?
・この物件、管理状況とか本当に大丈夫かな?

もし同じであれば、「見えない競争相手」も同じように「値引き交渉」をしたり、手付金の金額を少な目にして購入しようとしていたり、住宅ローンの審査に不安をかかえていたりするかもしれません。

逆に、これらの中で、「私は違う!」といえる要素があれば、売主様との値引き交渉もしやすくなります。

でもこれから長く住む予定のお住まい。

物件の管理状況については、売主様や売主側仲介会社の手間をかけてもらってでもしっかりと調べた方がよいので、この条件だけは譲れません。

 

売主様や売主側仲介会社にとっては、「あなたに売ります!」と決めたあとで、買主様側が「ローンが通らないからやっぱり買えません」といった具合に、売るための準備をすすめていたのにキャンセルになってしまう、というのが一番困ること。

なので、「私はライバルたちよりも安心して売ってもらえる買主です!」ってアピールすることで交渉がしやすくなります。

例えば、
・手付金はたくさん出せます!住宅ローンもほとんど組みません!だから大丈夫です!
・私は収入がたくさんあります!住宅ローンも余裕をもって組みますし、事前審査もとおっています!だから大丈夫です!
といった具合にアピールします。

そうすることで、売主様や売主側仲介会社に「多少の値引き交渉はあるけれど、安心して売れそうなこの方に売ろう!」という気持ちになってもらえるかもしれません。

 

5. 「値引き交渉」にはリスクがある!


>リノベーション事例「好きを満喫」|リノまま

さて、ここまで「売主様」「売主側仲介会社」「見えないライバル」の「気持ち」を考えてきました。

相手の気持ちを考えて、譲れる条件やアピールできる条件を示した上で「値引き交渉」する、これが基本です。

ただ、最後に忘れてはいけない点を一つ。

「値引き交渉」にはリスクがある、ということです。

あくまで売主様が「あなたに売ります!」と言ってくれない限り物件は買えません。

しかもその物件にはすでに「○○万円」という価格がついています。

値引き交渉をする時点で、「あなたには売りません。他の方に売りたいです!」と言われて交渉を打ち切られてしまうリスクは必ず伴います。

何も理由がなく安くなる物件はありません。

たとえ「相場」より高い価格になっている物件でも、売主様が「どうしてもその価格で売らなければならない」という事情がある物件であれば、値引き交渉は困難になります。

 

最後に大事なのは「あなた自身がどのくらいその物件が欲しいか」という「意思」です。

何度もお伝えしているように不動産にはどれ一つとして同じものは存在しません。

多少相場より高くとも、あなた自身のご予算に見合っていて、同時に「どうしてもこの物件が欲しい」という気持ちが強ければ、あまり「極端な」値引き交渉はおすすめしません。

逆にご予算上の問題などがあって、「○○万円まで条件がさがるのであれば欲しいけど、今の金額では微妙」という気持ちであれば、積極的に値引き交渉していった方がよいです。

値引き交渉の結果、他の方に物件を買われてしまう、というリスクは必ず付きまとうので、そんなときのことを想像して「本当に後悔しないかな?」って考えてみてください。

 

また、「交渉」で大事なのは「値引き」ばかりではありません。

物件を買ったあとでリノベーションする、というお客様であれば、すぐに物件を引渡してもらっても設計が終わっていないから工事に入れない、というケースも沢山あります。

そうすると、工事に入れない期間についても管理費や修繕積立金、固定資産税といった費用を買主様が負担し続けることになります。

例えば、値引きはできなくとも「引き渡し」の時期を後ろにしてもらう、という交渉をすることでも十分買主様にメリットはあります。

物件の「値引き」はお金のことなのでわかりやすくて目をひきますが、同時に人気の物件では「値引き」というと応じてくれないことも多いもの。そんなとき「値引き」以外の要素で、自分たちにメリットがある条件を交渉してみるのもひとつの方法です。

 

ここまでいろいろと書いてきましたが物件を買う、となるとその交渉にも色々な要素が複雑に絡み合ってきます。

「不動産取引の仕組みをシンプルにおさえて、それぞれ相手の気持ちを考えて交渉する」基本はこれだけ。

こんなことを一緒に考えてくれるパートナーをみつけるようにしましょう。

 


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