「中古を買って+リノベーション」<①総額予算編> お金の使い過ぎに要注意!大切な総額予算に「痛みを伴うイメージ」を持とう!
「中古を買って+リノベーション」<①総額予算編> お金の使い過ぎに要注意!大切な総額予算に「痛みを伴うイメージ」を持とう!
公開日:2019.12.19 更新日:2022.1.28
住宅ローン、管理費、修繕積立金、火災保険、固定資産税…住まいって意外とお金がかかるもの。
「総額4000万円で中古マンションを買ってリノベーションしよう!」
さて、そのときあなたが「毎月」いくら支払うことになるかイメージできますか?
「毎月いくら払う」っていう「痛みを伴うイメージ」を実感することで、予算が膨張していくのをしっかりケアしましょう。
目次
1 住まいの購入は気が大きくなる?!お金の使い過ぎに要注意!
4 無理なく借りられる「住宅ローン」はどのくらい?まずは「おおざっぱに」考えよう!
〇「中古を買って+リノベーション」<②予算運用編> 予算に「ヘソクリ」と「柔軟性」を持たせよう!
〇「定額制」リノベ―ションの「メリット」とあまり知られていない「デメリット」
〇築10年、築20年・・・築50年も、全部同じ「中古マンション」 どのくらい古い物件までアリ?
1. 住まいの購入は気が大きくなる?!お金の使い過ぎに要注意!
クイズです!「住宅ローンを使って総額4000万円で中古マンションをリノベーションしました」さて、毎月いくら払えばいいかわかりますか?
無料相談にいらっしゃるお客様で「総額予算は4000万円で考えています」なんてご予算のイメージも持ってお話ししてくださることがあります。
ただ、「実際に自分が4000万円で家を買った場合に毎月いくら支払うことになるか」がイメージできていることは少ないです。
多くの方は総額予算の殆どを「住宅ローン」で賄うことになるのですが、「3000万円の住宅ローン」「4000万円の住宅ローン」などと言ってみたところで「なんかよくわからない大きなお金」の話で、「毎月いくら払う」っていう「痛みを伴うイメージ」で実感できる方はあまりいません。
おまけに、新しい住まいを買ったとき、支払わなければならないのは住宅ローンの返済だけではありません。
管理費、修繕積立金、毎月ではないけれど火災保険、地震保険、固定資産税、、、実はいろんなコストが発生します。
なのに一方では、「中古を買ってリノベーション」では「物件探ししてたら思ってたのより200万円高いけどいい物件に出会っちゃった!」なんてことが多々あります。
こんなときに住宅ローンの金額が「なんかよくわからない大きなお金」のイメージのままだと、「3000万円の予定だった住宅ローンが3200万円になっちゃうけどまあいっか」とか「4000万円の予定だった住宅ローンが4200万円になっちゃうけどまあいっか」なんて具合についつい予算を膨らませがち。
不思議なもので何千万円って大きな金額になると実感が薄れてついつい気が大きくなってしまいます。
結婚式なんかで、何百万円って話をしてると、金銭感覚がマヒしてきてお花を追加で+10万円、ドレスをもう1パターンふやして+20万円、ケーキを豪華にして+5万円てな具合にオプションをどんどん頼んでしまう、なんて話があります。
少し似ていませんか?
心当たりのあるあなた!要注意です!!
これが住まいの話になると何千万円って話をしているので、100万円単位のお金の増減が小さくみえてしまうのです。
自分らしい暮らしを手に入れるためにお金をかけるのは決して悪いことではありません。
もちろん「リノまま」にとってもありがたい話です(笑)。
でもそのお金をかけてでも本当にその後の生活ができるのか、特にキャッシュフローがまわっていくのか、を「痛みを伴うイメージ」で実感した上で、「本当に予算を膨らませてよいのか」をしっかりと自分自身で検討することがとっても大事です。
でないと「勢いで買ってしまって後悔してる」なんてことになりがちです。
なので、気が大きくなってしまった皆さん、住まいのような大きな買い物をするときは「毎月いくら支払うことになるのか」という「痛みを伴うイメージ」で一旦正気に戻ってください。
「中古を買って、リノベーション」では物件との「出会い」、素敵なリノベプランとの「出会い」、ショールームでひとめぼれしたキッチンとの「出会い」など、心ときめく出会いが「予算」をゆさぶります。
その都度必ず「毎月いくら支払うことになるか」をみて、冷静に判断するようにしましょう。
まず最初に考えるのは「総額予算をいくらにするか」ですが、「今の家賃」を基準に考えるのが定番です。
なぜなら、「今の家賃」は実際に支払い続けていてそれでも生活がまわっていて、それなりに貯金もできているであろう金額、すなわち「今の生活水準のままで」毎月無理なく支払える金額だからです。
なので、家族が増える、といった変化がなければ今の生活水準を維持できる月額の住宅コストがほぼほぼ「今の家賃」に等しくなるといえます。
一方で「家賃(住宅コスト)は世帯収入の25%以下あたりにおさえましょう」なんてよく言われます。
あくまで一般論ではありますが、「世帯収入の25%」を月額に置き換えると「一般的に考えて」毎月無理なく支払えるであろう金額がわかります。
社宅にお住まいで今の家賃が極端に少ない、これから結婚するんだけどまだ一緒に住んだことがないから2人暮らしでの家賃を払ったことがない、なんて方はこの「一般的に考えて」毎月無理なく支払えるであろう金額がいくらになるのかをまず考えてみるとよいですね。
実際によくある例を使って予算を組んでみましょう。
例)ご夫婦(夫:年収400万円/妻:年収300万円)
→世帯年収700万円の場合
①一般的に考えて「毎月の家賃として無理なく払えるであろう金額」
→700万円×25%=175万円(年間)
を1か月あたりになおすと
→175万円÷12≒14.6万円(1か月)
②「今の家賃(共益費こみ)」12.5万円
さて、この例では、「毎月無理なく支払えるであろう金額」は
②「今の生活水準のままで」の場合は12.5万円、
①「一般的に考えて」の場合は14.6万円となるようです。
実際に新たな住まいを購入する際には毎月の支払がこの「12.5万円~14.6万円」の間におさまるように検討するのが無難です。
例えば「せっかく家を買うんだから、今の家賃よりは少し頑張ろう、でも余裕はみておきたいから13.5万円くらいかな」といった感じですね。
次に注意するのは「13.5万円」は決して「月々のローンの返済額と同じではない」という点です。
別の記事にも書きますが、マンションを買う場合は必ず修繕積立金、管理費といった毎月の支払が発生します。
戸建の場合でも一定の金額は自発的に将来の修繕にそなえてためておいた方がよいもの。
マンションであれ戸建であれ、ローンの返済額以外に必ずコストは発生するという点は必ず頭にいれておきましょう。
とすると、毎月の支払「13.5万円」のうちいくらまでならローンの返済にまわしてよいのか、がポイントになってくるのですが、リノままでは住宅ローン返済以外に「3万円」月額の支払いに余裕をもってもらうようにしています。
どのくらいの広さの物件を買うかどうかにもよるのですが、管理費が1万円程度、修繕積立金が㎡あたり250円程度、と想定すると、70㎡程度のファミリータイプでは以下のようになります。
管理費1万円+修繕積立金70㎡×250円=2.75万円
→住宅ローンの支払い以外に毎月3万円程度の余裕を持とう!
想定した2.75万円よりもすこし余裕をもって3万円、が月額の管理費・修繕積立金の合計の目安になってきます。
ここで「修繕積立金が安い!5000円しかかからない!ラッキー!」なんて思わないでくださいね。
修繕積立金が「極端に安い」ということはマンションの維持管理にとって適正な修繕がおこなわれない恐れがあったり、給排水管の更新など大きな修繕費がかかるタイミングにあわせて修繕積立金を値上げしたり、という可能性が高いことを意味します。
※詳しくはこちら↓
「マンション管理」のチェックポイント<実践編②>管理費・修繕積立金が「安すぎる」のは危ない!
もし、管理費・修繕積立金が安い物件を見つけても、「合計で3万円くらいになっても問題なく支払えるか」を考えて、余裕をもってローンを組んでおきたいところです。
そうすると先ほどの例では以下のようになります。
毎月の支払
=13.5万円-管理費・修繕積立金プラスα(3万円)
=ローン返済額 10.5万円
4. 無理なく借りられる「住宅ローン」はどのくらい?まずは「おおざっぱに」考えよう!
次は皆さんが最も気になる「毎月10.5万円返済するのであれば、いくらまで借りることができるか」です。
特に35年のローンを組む予定の目安は「100万円借りて35年で返済すると月々3000円ぐらいの返済」です!
100万円借りて35年、元利金等で返済する場合
金利0.5%→月々2,595円の支払い
金利1% →月々2,822円の支払い
金利1.5%→月々3,061円の支払い
金利2.0%→月々3,312円の支払い
金利によって変わりますが、100万円借りて35年で返すときのイメージは上記の通り。
実際に物件を借りるときに金利を変動金利にするか固定金利にするか、そもそも金利が高くなっているか安くなっているか、といった条件によって変わってきますが、それって、物件を購入してローンが実行されるときの話。
「これから物件探しするぞ!」って段階であまり細かく考えすぎても刻一刻と条件は変わってしまいます。
まずはおおざっぱでよいので「100万円借りて35年で返済すると月々3000円くらいの返済」というイメージからざっくり考えると以下のようになります。
月々105,000円÷3,000円=35
→要は100万円を35個借りられる!
→だいたい3500万円くらい借りられる!
と「毎月10.5万円返済するならだいたい3500万円くらい借りられる」をイメージしておきましょう。
こんなに「おおざっぱな計算で大丈夫」って感じる方も多いかもしれませんが、むしろ最初は「おおざっぱに全体像をつかむ」ということが重要です。
だって、実際にいくらの物件を買うか、その物件の管理費や修繕積立金はいくらなのか、なんて全くわからない段階。
実際に出会う物件の状態もわからないのでリノベ費をどのくらい使えるか、もまだまだわかりません。
要は「最初に組んだ予算はあくまで目安。これから物件探しを始めると絶えず変化するもの」としてまずはイメージをもっておくことが重要なのです。
少し余談になりますが、毎月毎月支払うものではないので意識が薄くなりやすいコストもあります。
マンションを購入すると毎年固定資産税・都市計画税、火災保険、地震保険などです。
物件の条件や保険の内容などでいくらかかるか、毎年の支払いになるか何年かに1度の支払いになるか、なども変わってきますが、「不動産を持っている」ことに対してかかるコストとしてこんなものがある、ってことは頭にいれておきましょう。
一方で賃貸物件に住んでいたころのような「更新料」はなくなりますし、住宅ローン減税や年末調整での控除など、税金が安くなる仕組みも実はたくさんあります。
本格的に物件が決まりそうな段階では意識した方がよいのですが、これら全部について物件探しを始める前にシミュレーションしておくのはあまり現実的ではありません。
それからもうひとつ余談。ここではあまり触れていませんが「そもそも自分の収入でいくらまでローンが借りられるの?」ってのも気になるポイント。
「継続して安定した収入がある」=会社勤めで勤続年数がそれなりにある、「クレジットカードなどの支払いを滞納したことが殆どない」という方であれば問題ありません。
実際にはもっともっと巨額の住宅ローンを組むこともできるケースが殆どです。
「あ、もしかしたらやばいかも!」なんて心当たりのある方は住宅ローンの利用にあたって少し注意が必要です。
物件探しを始める前に信頼できるパートナーに相談しておくとよいでしょう。
※詳しくはこちら↓
どこみても同じに見える!リノベ会社ってどうやって選ぶ??
さて、ここまででどうにか「住宅ローンは3500万円くらいかな」ってところまではたどり着きました。次は「全体の予算=総額予算」です。
当たり前のことですが、「中古を買って、リノベーション」に使うお金は
・今持っている貯金を使う
・どこかから借りてくる
かの2通りしかありません。
住宅ローンが3500万円、とみえてきたら、次はまず「今持っている貯金からどのくらい使えるか」です。
これも皆さんそれぞれで大きく事情がことなるポイント。
たくさん貯金がある方もいれば、まだ結婚したばかりであまり貯金がない、なんて方もいらっしゃいます。
もちろん貯金から捻出する、いわゆる「自己資金」は多ければ多いほど私たちにとってはありがたいです。
「自己資金」がたくさんあることで、金融機関からも売主様からも信用されやすいので、住宅ローンの金利など有利な条件を組みやすくなりますし、現金をたくさん持っている方の方が売主様からも物件を売ってもらいやすくなります。
ただ、ちょっと待ってください。
これはあくまで「物件を買ったり、お金を借りたりするのに有利」というだけです。
みなさんの生活では突発的な事故や病気に備えたり、年に何回かの旅行を楽しみにしていたり、と「貯金」を使う場面は他にもたくさんあります。
ご自身の生活を振り返って、「このくらいならここで使ってもいいかな」って金額を出してみてください。
住まいを手に入れたものの貯金をすべてはきだしてしまった、というのは必ずしも得策ではありません。
「自己資金が全くない!」という方でも「中古を買って、リノベーション」が必ずしもできない、というわけではありません。
ただ、住まいを手に入れるには住宅ローンが実行されるタイミング以外にもちょこちょこお金を払う場面はでてきます。
自己資金として最低でも100万円くらい、できれば物件の購入諸経費が払える300万円くらいを用意できたタイミングで物件探しをスタートするのをお薦めします。
さて、ここでは自己資金500万円として計算してみましょう。
住宅ローンが3500万円なので、総額予算は4000万円、ということになります。
冒頭のクイズですが、このケースにあてはめると、「貯金から500万円だして、管理費・修繕積立金とあわせて毎月13.5万円くらい払う」→「総額4000万円で中古を買ってリノベーションできる」といったイメージになります。
もちろん金利の増減や貯金からいくら出すか、住宅ローンを何年で返すか、といった条件次第で、同じ4000万円の総額予算であっても毎月の支払額は変わってきます。ご自身のイメージに近い形でシミュレーションしてみるのをおすすめします。
「リノまま」に資料請求された方や相談にこられた方にお渡ししている「リノままノート」にはこんな風に資金計画をたてるためのワークシートがありますので、参考にしてみてくださいね。
〇「中古を買って+リノベーション」<②予算運用編> 予算に「ヘソクリ」と「柔軟性」を持たせよう!
たかが予算、されど予算。物件にいくら、リノベーションにいくら、なんて総額予算を決めたところで、「運命の出会い」は突然に!
200万円予算オーバー、どうしよう?!
そんなとき、予算に仕組んだ「ヘソクリ」と「柔軟性」、「痛みを伴うイメージ」で後悔しない選択をしましょう!
〇「定額制」リノベ―ションの「メリット」とあまり知られていない「デメリット」
「リノベーション費用っていくらかかるかわからない!」みなさん共通の悩みです。
そこで最近ではよく「定額制リノベーション」をうたう会社も出てきています。
この「定額制」は何より「リノベーション費用がわかりやすい」のが最大の魅力。
でもその一方で実は定額制ならではの「デメリット」も潜んでいるのです。
「定額制」の特性を知ったうえで自分にあった選択をするのが一番です。
〇築10年、築20年・・・築50年も、全部同じ「中古マンション」 どのくらい古い物件までアリ?
「古い物件を探す!」「古ければ古いほど安い!」といってもどのくらい古い物件までアリですか?
よくマンションの資産価値が安定する、なんていわれる築20年超の古い物件を探される方が多いですが、
築30年、築40年、築50年、築60年…どこまでアリですか?
安ければ本当にどこまで古くてもいいですか?
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