ワンストップリノベーションとは?「不動産とリノベを別々に依頼」との比較でわかる失敗しない会社選び

思うような間取りやデザインで、素敵な住環境を選んで理想の暮らしをしたい。
そんな想いをかなえるなら「中古を買って+リノベーション」
中古物件ならば価格は手ごろなので、内装をすきなように変えるための予算も捻出できます。

そんな「中古を買って+リノベーション」を進めるには大きく分けて2つの方法があります。

「ワンストップリノベーション」と呼ばれるサービスを提供している会社を利用するか利用しないか、です。

実はどちらにもそれぞれメリット/デメリットがあるんですが、「この物件がほしい!」、「この物件で契約をした!」なんてタイミングでは後戻りできないことが沢山あるのも事実。

物件探しをはじめたり、リノベプランを考えはじめたり、といった具体的な検討に入る前にまずしっかりこの記事を読んでいただいて、「こんな筈じゃなかった」なんてことにならないようにしておきましょう。

高原太郎

[著者]

高原太郎

宅地建物取引士。映画館勤務を経てリノベーションへ。リノままの一員として多くのお客様の住まいづくりに関わる。現リノまま広報。

1. ワンストップリノベーションって何?


>リノベーション事例「愛猫と気ままな暮らし」|リノまま

1-1.「中古を買って+リノベーション」でやるべきこと3つ

今更ではありますが、改めて。

「中古を買って+リノベーション」を自分たち自身で進めようとすると、大きく分けて3つのことを動かしていく必要があります。

それは「物件を購入すること」 「必要なお金を必要なタイミングで用意すること」 「リノベーションをすすめること」の3つです。

実際にはこの3つはどれもバラバラに進められるものではありません。

例えば「購入物件がきまらないとリノベーションにいくらお金がかかるかはよくわからない」とか、「お金がいくら必要かがよくわからないと住宅ローンを借りる手続きが進められない」とか、3つの流れの中のいくつかが複雑に絡み合いながら進んでいきます。

<物件を購入すること>
・物件探し→不動産仲介会社
・購入予定物件の調査→不動産仲介会社
・物件購入に伴う諸経費の確認→不動産仲介会社
・物件購入時に利用できる税制優遇や補助金類の確認→不動産仲介会社

<リノベーションをすすめること>
・リノベーションのプラン相談→リノベーション会社
・リノベに使う住宅設備機器や素材の選定→リノベーション会社or各メーカー
・リノベーションの工事の手配→リノベーション会社or工務店(施工会社)
・リノベーションプラン作成費用の確認→リノベーション会社or設計事務所
・リノベーション工事費の確認→リノベーション会社or工務店(施工会社)
・リノベーション工事に使える税制優遇や補助金類の確認→リノベーション会社

<必要なお金を必要なタイミングで用意すること>
・住宅ローンの金融機関選び→自分で進める
・総額予算の把握/いくらまで住宅ローンを借りるか→自分たちでまとめる
・住宅ローンの商品選定→金融機関

1-2.ワンストップリノベーションとは?

ここでは主要なものだけを書いてみましたが、結構いろいろありますね。

その中でも特に要注意なのは「お金」「時間」

「物件の購入」と「リノベーション」がそれぞれ別々に動くことになると、「全部でいくらお金がかかるか」はあなたにしかわかりません。

おまけに、その中で「いくらまでローンを借りて、いくらまでは自分たちの貯金を使う」なんて調整をするのも自分たちでやっていくしかありません。

また、「物件の購入」と「リノベーション」が別々に動くとなると、「物件はいつ引き渡してもらえるか」とか「リノベーションの設計にどのくらいの期間を要するか」とか「いつからリノベーションの工事をはじめられるか」などは、あなた自身が不動産仲介会社、リノベーション会社それぞれの話をききつつまとめていくことになります。

こういった「バラバラにすすめるとややこしいこと」を「全部まとめてひとつの窓口ですすめてくれる」のがいわゆる「ワンストップリノベーション」です。

2.ワンストップリノベーションのメリット

ワンストップリノベーションのメリットは大きく3つあります。いずれも窓口を全部まとめて進めることからうまれるものです。

・物件、リノベーション費用、諸経費など全てを含めたときにどのくらいお金がかかるかがコントロールできる

・物件購入、ローンの手配、リノベーションの設計・工事のスケジュール調整ができる

・物件購入前に希望のリノベーションプランが実現できそうか、プロの目で確認してもらえる

お金、時間、希望のプランができるかどうか、これらがコントロールしやすくなるので、リノベーション費用を住宅ローンの中に組み込む「一体型ローン」もスムーズに利用できるようになります。

3. 意外と知らない!? ワンストップリノベーションのデメリット


>リノベーション事例「ながく住まう」|リノまま

これだけみると一見、ワンストップリノベーションはいろいろと面倒なことがはぶけてよさそう!なんて思えてしまいますね。

でも、ワンストップリノベーションでは「ワンストップ」であるがゆえ、ひとつ大きな注意点があります。

「物件が決まる」といった形で先へ進んでしまうと、その後から「リノベはやっぱり別の会社がいい」「ローンのことをよく知らなそうだから別の会社ですすめておけばよかった」なんてことになった場合に途中で切り替えるのが大変、という点です。

今住んでいるお住まいのリノベーションであれば、何社かリノベ会社をまわって、いろいろな会社にリノベの提案をもらってから、自分たちにフィーリングがあいそうな会社を選ぶ、なんてこともできますが、まだ物件探しすらはじめていないワンストップサービスではそういった「提案を見比べる」ことは事実上不可能です。

まず「どこの会社と一緒に進めるか」を決める時点で各社の考え方や得手不得手、リノベーションのテイストなどをよーくみておくことをお薦めします。

いざ先のステップに進むとなると、会社によっては物件探しをはじめる際にお客様から10万円とか3万円とかお金をいただいてからスタートする、といったところもあります。

会社によっては途中でリノベ会社を別のところに変えたい、なんてことをするとキャンセル料がかかる、なんて場合もあります。

ワンストップリノベーションの会社は先に書いたような細かな予算やスケジュールの調整に加えて、不動産の仲介、リノベーションとあらゆる場面でお客様と寄り添って進めるサービスなので、対応する業者側にも多大な負荷がかかってきます。

状況によってはこういった料金やキャンセル料がかかってくるのは致し方ないでしょう。

また、リノベーションにあたって使える素材や設備のメーカーに制限がある、住宅ローンは提携先から決める必要がある、など、各社のサービス内容によっては、「ちょっと自分たちにはあわないかな」なんてケースもでてくるかと思います。

そこでワンストップサービスの会社選びにあたって最低でも以下の3点は最初に確認しておくようにしましょう。

・その会社の理念や得意としていること、リノベーション事例など自分たちのフィーリングとあいそうかどうか

・リノベプランや住宅ローン選びなどで、選ぶサービスやメーカーに制約があるか

・途中でやめたくなった場合にどのタイミングからどのくらい費用がかかるか

4. ワンストップリノベーションが得意な「リノまま」

このように書いていくと、「リノままではどうなの?」なんて聞きたくなっちゃいますね。

先に書いてしまうと以下の通りです。
(※「リノまま」の考え方事例などはサイト内の別記事をみてみてくださいね。)


・リノままでは、リノベーションのプラン上で使用する素材や設備に制限はありません。
世の中にある全てのものからお選びいただくことが可能です。
但し、輸入ものなど特殊なものは納期に時間がかかる、施工費が割高になる、といったケースもあるので、できるだけ早い段階でリノベーションのご希望内容をうかがっています。
(もちろん、法律上や管理規約上などで設置できないものがあったり、ご希望の内容によってはアフターサービスの保証対象外とさせていただく場合があったりします。)

・住宅ローンについてもどこの金融機関を利用していただいても構いません。
お客様それぞれのご希望内容に応じてよさそうなものを私たちがチョイスしてご案内いたします。

・リノままでは具体的なご相談のスタート時にいくらかお金をいただく、といったことは全くおこなっておりません。
これはせっかくの住まい探し・住まいづくりをはじめるにあたって「早く決めなきゃ」って焦ってしまうよりもワクワクしながらすすめてほしい、という私たちの想いから、です。


また、リノままでは物件の売買契約締結後、物件のお引渡し時に仲介手数料をいただくまではお客様には一切ご負担は発生しません。

そのため、途中で「やっぱり物件探しをやめたい」「他の会社に変えたい」なんてことも自由です。

リノベーションに関しても工事請負契約を締結するまでは費用負担はございません。

ただ、この記事にも記載した通り、細やかな対応をさせていただくには大きな負荷がかかってくるのも事実です。

そのため、リノままでは私たちが売主になっている物件以外では仲介手数料の割引はおこなっておりませんし、物件探しを進める際に他社さまと並行して進めるのはご容赦いただいております。

また、弊社で仲介させていただいた際にはリノベ―ションについても原則弊社で進めていただくようにお願いしております。

いずれも特にキャンセル料や違約金のようなものはなく、あくまでお客様と私たちの信頼関係の中でこういったルールで進めてもらうようご協力をお願いするもですので、ご理解いただけましたら幸いです。

5. ワンストップリノベーションを利用しない場合のデメリット


>リノベーション事例「コペンハーゲンな家」|リノまま

さて、それではワンストップリノベーションを利用しない場合はどうでしょう?

ワンストップにせず、物件探しとリノベーションを同時にすすめようとする場合の最大のネックは「スピード」と「物件選び」です

5-1.ワンストップリノベーションの進め方の特徴

昨今(2021年12月現在)、中古マンションは特に在庫が少なくなっていて、条件のよい物件は即座に売れてしまう、早い者勝ち、といった様相です。

「いいな」と思った物件を購入するにはとにかくスピード!なのですが、不動産仲介会社、リノベーション会社を別々に進めようとすると、以下の表のように時間がかかってしまいます。2つの表を見比べてみましょう。

ワンストップリノベーションを利用していれば、物件の内見から購入契約までは2~3週間程度で進められます。

でも不動産仲介会社で物件を内見して、気に入った物件がでてきてからリノベーション会社に相談、といった流れですすめると、順調にすすんでも物件の内見から購入契約まで1~1.5ヶ月程度の時間がかかってしまいます。

お目当てのリノベーション会社が混雑していると、現地調査やラフプランの作成にもっと時間がかかってしまったり、工事の着工を何か月もまっていただくことになったりすることもあります。

ではなぜこんなに時間がかかるのでしょうか?

ポイントになるのは以下の要素です。

・物件購入契約にあたっては住宅ローンの事前審査を通過しておく必要がある

・物件購入代金、リノベ費用をあわせて住宅ローンに組み込む(一体型ローン)場合、住宅ローンの事前審査にあたって、リノベ―ションの見積もりと図面が必要になる

・これらの見積もりや図面を用意するためにリノベーション会社が物件をみたり、プランを作成したりする時間が必要になる

※ワンストップリノベーションの場合はそもそも物件を決める前の段階でリノベーションの希望内容をきいていますし、物件の内見の際にお客様といっしょにお部屋の中をみていますので、これらの流れはスムーズに進められます。

そうです。「一体型ローン」を活用するためにはどうしてもスピードが求められてしまうのです。

逆に言うと、「一体型ローン」を使う必要がない/リノベーション費用についても予算に余裕があって先に「物件だけ」で売買契約を進めてしまっても問題がない、という状況であれば、わざわざワンストップサービスを利用する必要はありません。

⇒「リノベーション一体型ローン」ってなに?実はこんなメリットがある!利用するために気を付けるべきこととは?

まず物件購入を先にすすめておいてから、いろいろなリノベーション会社をまわって各社の提案をみてから決める、という余裕をもつことができます。

また、時期によってはリノベーション会社の設計や施工が混雑している場合があります。

物件を買ったらすぐに設計をして、できるだけ早い時期に工事をすませて入居したい、なんて考えていても、思うようにスケジュールがとれないこともありえます。

ワンストップリノベーションでは、自社で物件探しから進めていただいたお客様には優先的に設計・施工をはじめられるように調整してくれることが殆どなので、物件を買った後についてもスケジュール調整はスムーズに進みます。

5-2. ワンストップリノベーションの物件選びの特徴

ただ、そういったケースでも物件を先に買ってしまったらもう後戻りできないという点は要注意!!

例えば「お風呂を広くしたい」って思ってたのに、実際にリノベ会社が物件をみにいったら構造上お風呂が広げられないような物件だった、とか、「二重床にしたい」と思ってたのに二重床にすると天井高が低くなりすぎる物件だった、とか。

リノベーションの「できる/できない」を事前に判断できないのもワンストップリノベーションを利用しな場合のデメリットです。

ワンストップリノベーションでは物件の内見の時点からリノベーション工事のこともわかる担当者が同行してくれることが殆どなので、物件の購入判断に関わるようなリノベーションについては、実際にできるかどうかを教えてもらえます。

リノベーションのことがよくわからずに物件を購入してしまうと後から希望の工事ができない、となってしまったら、リノベプランを変更するかペナルティを支払って物件の購入をキャンセルするかしか方法がなくなってしまいます。

6. 失敗しないワンストップリノベーションの進め方


>リノベーション事例「趣味を飾る大人の隠れ家」|リノまま

ではワンストップリノベーションを利用するのに向いているのはどんな方でしょうか?

・物件代金+リノベ費の一体型住宅ローンを活用したい
→物件の内見から申し込み、売買契約までのスピードが必要!

・物件を購入した以上はできるだけ早く入居したい
→物件の引渡し後なるべく早く工事にはいれるようにすすめるスピードが必要!

・リノベーションで「どうしてもこれをやりたい」という譲れないポイントがある
→物件購入を決める前にリノベーションのプロと一緒に物件をみてリノベーションの「できる/でいない」を見極めたい

・自己資金や予算にはそこまで大きな余裕はない
→物件購入を決める前に、希望のリノベーション工事を実施した場合の概算金額をつかんでおきたい

逆にワンストップにせず、不動産仲介会社、リノベーション会社それぞれに相談していうのに向いているのはどんな方でしょうか?

・リノベ費については現金で対応できる
→一体型ローンの審査の準備を気にしなくてよいのでゆっくり検討できる

・リノベーション会社に相談した後にリノベ費が思っていたより増えてしまっても資金的に対応できる余裕がある
→リノベーションの概算金額は物件購入後にわかれば大丈夫

・物件の構造上リノベーションで「できない」点があっても致し方ないと割り切れる
→あくまで「その物件でできることをする」というスタンスなので購入前にリノベのプロに物件をみてもらわなくても大丈夫

・リノベ―ションにあたっては何社か提案を見比べて決めたい
→何社かの現地調査、提案を待つだけの時間的余裕がある

「中古を買って+リノベーション」を考えていて、「時間」と「予算」に余裕をもてない方はワンストップサービスで進めた方がよいかもしれません。

でも「スピード」を求めるということは「いろいろな会社からのリノベ提案を見比べる」といった時間はなくなってしまうことを意味します。

なので、ワンストップサービスを利用する場合は、具体的な物件探しをはじめる前にまずワンストップリノベーション会社を選ぶ、その会社選びをする際に施工事例やWebサイトをみながらじっくりと検討する、のは必須です。

7. 東京のワンストップリノベーション会社と選び方のコツ

ワンストップリノベーションを扱っている会社は数多くあります。リノベーションのポータルサイト「SUVACO」で物件探しも対応してくれるリノベーション会社を検索すると、東京都だけでも50社以上でてきます。

それらの中から東京23区所在でグーグルの口コミ5件超の書き込みがあるものを抽出すると以下の通りになります。

〇東京23区の主要なワンストップリノベーション会社

ブランド名所在宅建業建設業設計
事務所
Google
口コミ評価
投稿数
nuリノベーション渋谷区3.38
リノデュース渋谷区3.612
スタイル イズ スティルリビング渋谷区5.016
リノまま新宿区4.818
アズ建設杉並区4.37
スタイル工房杉並区他3.617
駿河屋 創業1657年墨田区4.423
ひかリノベ墨田区3.56
空間社世田谷区3.614
SHUKEN Re世田谷区他4.712
セイワビルマスター台東区2.811
ブルースタジオ中央区3.77
リノべる港区他3.113
ゼロリノベ港区他4.943
Cuestudio目黒区4.535
FIELDGARAGE Inc.目黒区3.17
CRAFT目黒区4.413
リビタ目黒区3.428
※2023年2月3日時点 許認可については各社のホームページ等記載に基づく

7-1. オールワンストップとパーシャルワンストップ

最近では、ワンストップリノベーションでも物件の仲介とリノベーションの設計、施工まで全てを自社完結でおこなう「オールワンストップリノベーション」と、それらの一部を提携会社にまかせている「パーシャルワンストップリノベーション」といった言葉がよくつかわれます。

上記の表ではこれらのワンストップリノベーション会社がそれぞれ、

・宅地建物取扱業者の許認可をうけているか
・建設業の許認可をうけているか
・設計事務所の登録をしているか

もあわせて示しています。

「オールワンストップ」の会社はこれらの許認可を全てうけている必要がありますが、逆に全ての許認可をとっているからといって「オールワンストップ」を行っているとは限りません。効率的に多くの件数を受注しようとすると全て自社で対応することが難しい場面もでてくるからです。

また、大きな企業グループに属している会社などでは、グループ内に不動産会社と設計事務所、工事会社がそれぞれ別々の法人としてあって、それらをとりまとめる窓口としてワンストップリノベーション会社が位置づけられている、というケースもあります。

一概に「全ての資格をもっている会社がよい」とは限らないのです。

7-2. オールワンストップでも自社完結できないものはある

そもそも「オールワンストップ」とは何でしょうか?不動産の仲介、リノベーションの設計、リノベーションの工事を全て自社でおこなうこと、と通常は定義されています。

が、オールワンストップの会社をみても、

・工事のときに手を動かす大工さんや各工種の職人さんは自社の社員ではない場合が殆ど。
・当然ながら金融機関ではないので住宅ローンは外部の会社を利用するが、会社によっては住宅ローンの借入のアテンドまではしてもらえないことがある
・フィナンシャルプランナーにライフプランの相談をする際は外部の提携会社のFPに相談する場合が殆ど。
・親御さんからの資金援助などに伴う税務上の細かなアドバイスは税理士法上、税理士でないとできない

といった具合に、「何から何まで自社」というのは事実上不可能です。

特に工事については現場監督まではワンストップリノベーション会社が対応して、現場監督が色々な職人さんや工務店に声をかけてチームを編成している、というケースが多いことでしょう。

7-3. オールワンストップよりも「丸投げしないこと」と「相互の連携」が重要

「オールワンストップ」を謳っていても、「中古を買って、リノベーション」の多岐にわたる業務を全て自社で完結することは難しい以上、

ワンストップリノベーションをスムーズに進めるために重要なのは

・物件の仲介、設計、工事といった各セクションの連携がよいこと
・提携先や業務委託先に丸投げしていないこと

の2点です。

「オールワンストップ」を謳う会社であっても、大きな会社だった場合、不動産の部門と設計の部門、建築の部門は同じ社内でもそれぞれの担当者同士はほとんど顔をあわせない、なんてケースもありえます。

逆に「パーシャルワンストップ」で会社は別々になっていたとしても、同じグループ会社で同じオフィスの中にあって、日々コミュニケーションをとりながら業務をすすめている、なんてケースもあります。

「中古を買って、リノベーション」では物件購入のこと、ローンのこと、リノベーションのこと、を同時にスムーズにすすめないといけません。

物件を買う時には「キッチンを希望の場所に移動できる」って話だったのに、リノベの打ち合わせになったら「やっぱり移動できない」なんてことになってしまったら、わざわざワンストップにしている意味がありません。

オールワンストップだろうがパーシャルワンストップだろうが、連携がしっかりとれているかどうかは極めて重要です。

また、リノベーションの工事ではリノベーション会社が協力会社(いわゆる下請け業者)に大工さん、電気工事の職人さん、設備工事の職人さん、クロスや左官などの職人さんを一括発注しているケースもあれば、リノベーション会社自身がそれぞれの工事の特色にあった大工さんや職人さんを自ら集めてきてスケジュール調整しながら工事を進めているというケースもあります。

もちろん建設業では「丸投げ」は禁止されているので、リノベーション工事全てを協力会社に一括発注している、ということはありませんが、工事内容に応じてできるだけ細やかに職人さんを起用している会社の方がリノベーション工事の品質は保ちやすくなります。

工事だけでなく、資金計画の相談、ローンの相談、税金の相談など、ワンストップリノベーション会社が直接的に対応できないことについても、しっかり相談相手として提携先や金融機関へのパイプ役を務めてもらいたいのは当然です。

7-4. 口コミはあくまで参考情報

表にはGoogleの口コミ評価点も掲載しているのでそれらが気になる方もいらっしゃることでしょう。

でもよくみてください。どの会社にも50件に満たない口コミしかありません。このくらいの件数であれば、1件の高評価や低評価で大きく点数がかわってしまいますし、仮に低評価の口コミが何件かあったとしても、それだけでは本当に妥当な評価なのかは判断できません。

口コミは評価点を鵜呑みにするのではなく、

・書かれた内容に具体性があるか、信憑性があるか
・その口コミに対する各社の回答は適切か

といった点から会社の雰囲気を感じてもらうのが一番です。

8. ワンストップリノベーション会社の失敗しない選び方

最後にここまでのおさらいを含めて、ワンストップリノベーション会社を選ぶ際にはまず以下をチェックしましょう。

<ワンストップリノベーションのデメリットを克服できるか>

・それぞれの会社の理念や考え方が自分とあっているか
・リノベーション事例をみてデザインやテイストが気に入るか
・リノベプランや住宅ローン選びなどで選べるサービスやメーカーに制約があるか
・途中でやめたくなった場合にどのタイミングからどのくらい費用がかかるか

<ワンストップリノベーションのメリットを十分にうけられそうか>

・物件探しからリノベ工事の完成、アフターサービスまで、何名の担当者がでてくるか
・それらの担当者はどんな風に連携をとっているか
・工事はどんな風にすすめているか
・金融機関とのやりとりなども窓口になってアドバイスしてもらえるか

これらをしっかりチェックして会社選びをすれば、「途中でリノベ会社をかえづらい」デメリットを克服しつつ、「資金やスケジュールの調整、物件や工事内容の見極めをスムーズにすすめる」というメリットを十分にうけられるようになりますよ。

私たちリノままは「物件探し」や「リノベプラン」といった具体的な検討を始める前の準備をとても大切にしています。

いざ「物件探し」がはじまったらスピードが重要なことも多々ありますので、今のうちに色々な会社の話をきいて、じっくりと準備をすすめておきましょう。


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